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2012年1月25日 (水)

オンリーワン

どのような組織でも、他と差別化を図るオリジナリティを発揮できなければ、
価格競争に参加して、利益幅を圧縮する消耗戦に堪えるしか他に道を選べないから、
どの組織もコア・コンピタンスを絞り込み、市場での競争優位を獲得しようとする。

組織内の衆知を結集し、ビジネスモデル特許やパテントによる権利を取得しても、
技術の値打ちを社会に説得できなければ、市場へ浸透しないうちに静かに消える。
専門用語を伝わるように噛み砕かなければ、独創的な研究も陽の目を見ない。

コロンブスの卵ではないが、従来の発想を切り替え、潜在ニーズを上手に引き出し、
個性を強く印象づけることもある。たとえばコンビニエンス・ストアは、
スーパーやディスカウント・ショップとは、異なる価値観を提示して成功した。

売場面積が狭く、商品の陳列点数が少なく、販売価格で勝負しないコンビニは、
エンドユーザーのライフスタイルに適応することで、独自のポジションを確立。
24時間営業というコンセプトで、従来の店舗が設定した壁を乗り越えた。

コンビニは消費者には、少し離れた場所にある自宅の冷蔵庫であり、書棚である。
思い立ったら深夜でも、アイスクリームを食べたり、雑誌を読めたり、利用できる。
利便性だけを享受して、プライベートを侵されない。心地よい距離感を保っている。

組織活動を展開するときに、こうした視点はリーダーに重要なヒントを示唆する。
たとえ突出した特長がなくとも、上手に伝え方をプロデュースすることで、
他の追随を許さないコミュニティを築ける。持ち味を最大限に活かし切れる。

組織が競争に勝ち残るには、どこで闘えば有利なのか、徹底的に論議を尽くす。
コアになるメッセージを磨き上げ、さまざまな反応を予測して、対象を絞り込み、
誰と共にコミュニティを築くかを強く意識する。八方美人の発想では通用しない。

オンリーワンの組織を目指すには、取り巻く環境を踏まえて心を決めねばならない。
ネットワークを活かし、業界を代表するリーディング・カンパニーに成長するか。
技術力をさらに深耕し、ニッチ市場に狙いを定め画期的な専門技術を開発するか。

長い歳月を経て事業活動を展開してきた組織は、オンリーワンの値打ちがあるから、
選び抜かれた結果として生き延びた。無理にトップを狙わなくても良い。
さまざまな人から支持されている今の魅力を、さらに追い求めるのも一つの選択。

プロ野球の世界でも、全員が主軸やエースではない。優勝できないチームもあれば、
タイトルに無縁な選手もいる。レギュラーになれず、ベンチを温める人たちもいる。
それでもオフには契約を更改し、プロとしての存在をアピールする。それはなぜか。

何の特長もなければプロとして勝ち残れない。盗塁王になれずとも足が速かったり、
スピードは遅くとも制球力に優れていたり、それぞれの個性をファンに支持され、
それを球団が認めるからこそ、来期もまた活躍できる。組織も個人も共通する原理。

皆が通り過ぎて気づかないのは、のっぺらぼうの組織、存在を主張しない人たち。
リーダーは、組織の特長を絞り込み訴えかけ、組織内外で信頼関係を築けるか。

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