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2011年12月19日 (月)

バランス・スコア・カード

知識社会で勝ち残るには、リーダーが知識の価値を正しく位置付け、
知識を中心に据えた未来への、明確なビジョンを示さねばならない。

しかし従来の財務指標を切り口とした戦略策定では、過去の業績を分析できても、
将来的な発展を保証できない。ビジョンを掲げるための指標が求められている。

そうした要望に応え、アメリカのR・S・キャプランとD・P・ノートンが提唱した
バランス・スコア・カード(BSC)は、4つの視点を持つ。

その内容は、財務を中心とした過去分析、顧客満足度を測定した外部分析、
効率的な事業プロセスを示す内部分析、イノベーションによる未来分析。

各々が単独で捉えられるのでなく、ひとつのテーマに対して相互が補完して、
複眼的な思考で問題点を発見し、解決のためのシミュレーションを展開する。

BSCは目標を管理するだけでなく、パフォーマンス・ドライバーと呼ぶ指標で、
相互の因果関係を明らかにしながら、進行状況を的確にチェックする。

BSCが注目されているのは、組織が売上高や有形の資産だけでは評価されず、
お客さまに提供する知識や情報を問われているから。

規模や知名度だけでは、顧客から信頼を得るには不充分な時代が訪れている。
どのような価値を創造するのか、組織は支える人にきちんと伝えねばならない。

個人の自立が強く求められる時代に、ライフステージのガイダンスを示せねば、
コミュニティの中心に据えられない。組織が生み出した知識や価値が、
個々の生活の中に浸透し必要不可欠と認められ、社会的なポジションを確立する。

BSCを導入しなくとも、過去と未来そして外部と内部の視点から、
組織の現状を冷静に捉え直し、等身大の価値を見極めておくこと。
足りないところがあれば補い、闘える態勢をきちんと整える。

現状を乗り切る利益を確保しつつ、長期的視野に立つ設計図を描き、
未来からのメッセージを伝えなければ、組織の値打ちは世間から認められない。

知識が会社の業績にどれほど貢献するか、定量化された数値で検証したいと考える。
しかし仕事の流れやシステムでは、知識だけを抽出するのは難しい。
商品やサービスに知識を反映させても、ハッキリと切り分けられるものではない。

ケインズ学派の経済学者であるJ・トービンが提唱したq理論では、
組織の知識資産を、総資産の時価評価額から割り出す。

元々は資産から導かれる収益を、期待値とリスクの両面からアプローチして、
組織を適正に評価するもので、バブル経済華やかな頃に全盛だった。

知識を目的とせず、価値を生み出すためのプロセスと捉え、クオリティを高めたい。

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