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2011年12月22日 (木)

CIの本質

組織が内外へ向けて、ビジョンを表現する手法として、
CI(コーポレート・アイデンティティ)戦略がよく知られている。

理念を踏まえたすべての事業活動を、コミュニケーションの視点から統合し、
すべてのメッセージを同一性として伝えるコンセプト。

20世紀初めにドイツで設立された建築工芸デザイン研究所に端を発し、
イタリアのG・ピントリーが事務機器メーカーのロゴタイプをデザインし、
CIに対する効果が注目され各企業の経営戦略に大きな影響を及ぼした。

1950年代にアメリカのJ・フォグルマンが、スイスの国際会議で、
CIというコンセプトを明らかにした。その後は他社と差別化を図る手段として、
デザイナーや広告代理店を中心に急速な広がりを見せている。

確かに国際市場で社名や商品名をアピールするには、覚えやすい言葉に置き換え、
ビジュアルな表現を優先し、異文化の環境に溶け込む努力は必要不可欠。
エンドユーザーが親和感を持たなければ、商品の機能や効用を試してもらえない。

CIが経営ビジョンを捉え直し、顧客と双方向のコミュニケーションを実現し、
組織の存在を社会に根づかせるのが目的という原則を忘れてはならない。
シンボライズされた情報の価値が、世間に認められなければ意味がない。

取引先やエンドユーザーの目には、組織がどのように映っているか。
組織と世間の評価にギャップがあれば、丹念に一つひとつ埋めていかなければ、
CIは単なる広告の域を越えられず、コストをかけるほどの結果を導かない。

CIがもたらす表現は、あくまでコミュニケーションの成果であり、
フレキシブルな組織革新を踏まえなければ、伝えようとするスピリッツは宿らない。

組織活動を展開するのに、さまざまな場面で、CIは強力な武器になる。
今までのイメージを刷新し、関わる人たちに新しい価値を生み出す期待を与える。

技術ノウハウや事業プロセスを見直し、一人ひとりの意識を戦闘モードに切り替え、
従来の成功法則を一つひとつ検証し、世の中に必要とされる価値の創造を確立する。

名称やデザインを一新することは、内容が入れ替わると受け取られる。
従来の理解から、まったく異なる側面を提示して、未知の領域へ導かれると感じる。
それが羊頭狗肉の正体であれば、CIは逆効果となる。

こうした事態を招かないためには、中間者の立場で組織の全体像をプロデュースし、
顧客や支援者が納得できる方向へ組織をシフトさせることで、
CIは最大の効果を発揮し、コミュニティを象徴する役割を果たす。

一方通行のメッセージを発信するより、批判的な内容でもレスポンスを待って、
本来の特長をわきまえたうえで、CIのコンテンツを絞り込むことが必要になる。
組織の存在理由が明らかになるほど、関わる人のモチベーションも刺激される。

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