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2011年10月29日 (土)

違和感

一代で組織を築いた創業者は、それぞれに個性的。
裸一貫から叩きあげ、波瀾万丈の人生を駆け抜けてきた。
世間常識というワクに縛られていたら、とうの昔に組織を潰していた。

組織が成長し発展すれば、創業の精神は語り継がれていく。
どんなに非合理的でアンバランスでも、競争社会を勝ち抜いてきた事実は覆せない。

業種や業態の違いでも、価値観はそれぞれに異なり、独自の論理を展開する。
規模の大小や歴史の長さなど、取り巻く環境がさらに背景を複雑にする。
社会ルールに反していなければ、どんなポリシーでも認められている。

傍から見れば鮮明にわかることでも、渦中の当事者は意識さえしない。
とりわけ学校を卒業してから、一つの組織に継続して在籍していると、
日常の空気を疑うこともなく、メディアが報じても他人事のように感じる。

組織ぐるみの犯罪が表沙汰になったとき、第三者には理解できない行動をとるのも、
世間の常識より組織内の常識を優先しなければ生き延びられないから。

組織の利益を守ることが、自分の人生を守ることに直結する。
違和感を覚えたとしても、途中で判断機能を停止させ、視界を遮断する。

築いた地位や平穏な家庭生活を犠牲にして、自らが矢面に立つことはない。
少しばかり世間常識とズレていても、組織の懐に抱かれていたほうが楽。
理屈をこね正義を気取って、世間という荒波に放り出されたくない。

終身雇用の神話が崩れ去ったときに、そうした処世訓も通用しなくなった。
一流企業の身分証明書が、人生のパスポートとして、通用しない時代を迎えた。
それでも組織の中で生きていると、同じ環境が永遠に続くと錯覚する。

意識的に自分が所属する組織を突き放し、冷静かつ客観的な視点から捉え直す。
そうすると組織に対してか、社会に対してか、違和感を覚えることがある。
それが小さなものだとしても、軽く扱わずにこだわることが大事。

違和感の正体は、組織と社会の価値観のギャップ。放置すれば乖離する。
すべてを社会常識に引き寄せることもないが、少なくとも距離を測っておけば、
問題が生じたときに最短路での解決策を見いだし、コンセンサスを得やすい。

組織の価値観や優先順位を尊重しながら、違和感を改善に役立てるのも効果的。
組織文化が検証され、新たな可能性が掘り起こされ、さらに強固な礎を築く。

さまざまなことに違和感を覚えなくなると、問題意識は急速に摩滅する。
とりわけ今の時代には、さまざまな経歴のメンバーでチームを構成するから、
組織独自の価値基準を打ち出すだけでは、チームをまとめる説得力に欠ける。

違和感を研ぎ澄ますには、自分の頭で考え行動するのが基本。
組織に寄り掛からず、いかに成長と発展を実現するか、リーダーの課題。

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