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2011年10月30日 (日)

失敗という財産

リーダーは階段を昇るたび、現場の仕事を少しずつ手放て、しだいに足場が弱まる。
自分自身の手を染ず、責任だけを追及されるから、寝首を掻かれないようにする。
冒険は避けるようになり、何よりも安全な方向を選択する。

ライバルを蹴落として、口惜し涙を拭いながら、やっと手にした椅子。
次のステップに進むためにも、失敗することなど許されない。
少しでも気を抜けば、後輩から追い越され、取り返しがつかない。

自分の領分を確実に守って、順番を待っているだけでは、周囲から忘れられる。
先頭グループから脱落した人を捉え、効率的にポストを獲得することなどできない。
ジッとしているだけでは何も得られないのは、リーダーが一番よくわかっている。

変化の激しい環境で、失敗を恐れていたら、組織は間違いなく消滅する。
誰も経験したことのない課題を提示され、一つひとつを適切に解決しなければ、
生き残れない時代を迎えている。わが身大切では、わが身を守りきれない。

経験と実績を踏まえ、冷静に可能性を計算し致命傷に至らない冒険にチャレンジ。
決断を誤り惨敗しても、次のチャンスを活かし、最後に勝てば生き残る。
たった一つだけ勝ち越せば、闘いの場は与えられる。そこで再び勝負できる。

肝心要なときに猪突猛進し、組織を壊滅させないためにも、上手な負け方を覚える。
目先の結果に心を奪われ一喜一憂しない。負けても落ち込まず闘う姿勢を保つ。
何もせず後退するだけでは、失敗から学ぶこともできない。

描いているビジョンを一つひとつ実現し、自分が納得できる人生を築いているか。
どれだけ立派な椅子に座れるか、どれだけの年収を稼ぎ出せるか、
そんなことより大事なのは、どれだけの人に必要とされたか。

メンバーを評価するときも、失敗をポジティブに捉え、可能性を広げているか。
少しくらい使いにくくとも、チャレンジ精神が旺盛なら、長いスパンで評価を下す。

保身に走った結果で、ネガティブな失敗をしたら、徹底的に責任を追及する。
未熟な年代ほど、きちんと叱っておかなければ、修羅場を乗り越えられない。
本人のためを思い、曖昧に済ませず、仕事の基本を叩き込まねばならない。

闘う姿勢で失敗したメンバーを、リーダーは防波堤になって守り抜く。
そのために自分の評価が下がり、昇進が遅れたとしても、
夢を実現するパートナーとして、メンバーを活かしたリーダーが最後に勝ち残る。

大事なのは失敗という現実から逃げず、真正面から向き合うこと。
原因追及を中途半端で終わらせず、再び繰り返さない策を徹底的に議論。
突き詰めた結論は単なる修正案でなく、普遍的な改善策に向上する。

リーダーが失敗しているからこそ、メンバーの失敗をフォローできる。
失敗を成功まで繋いでいるからこそ、恐れずに試行錯誤を繰り返す。
多様な失敗が組織に学習の機会を与え、競争力を強めるのは間違いない。

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