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2011年9月 3日 (土)

過去のマネジメント

組織から肩書の刷られた名刺を渡されたのは、
その範囲内での業務遂行に責任を持ち、目標を達成するように
組織の運営を委嘱されたことであり、それ以上でもそれ以下でもない。
肩書はあくまで役割であり、実績に対する評価とは別。

組織は基本的にピラミッド構造で、階層を昇るごとに責任と権限が大きくなる。
トップが最終的な決断を下し、階層ごとのリーダーが采配を振るい、
メンバーを活用して仕事を進めるから、末端に行くほど意思が伝わらない。

F・W・テーラーが創始した科学的管理や、H・ファヨールが提唱した一般管理学、
綿々と続いてきたマネジメントのスタイル。組織は管理されることで機能する。
20世紀になってから、D・マグレガーがX理論とY理論という切り口で、
働く側のモチベーションに初めて目を向けた。

X理論では、人は本来怠けるもので、
金銭で刺激し監督を厳重にして命令しなければ働かないとする。

これに対してY理論では、適正な動機付けを与えれば、
自律的に仕事と取り組み創造的な結果をもたらすと考える。
Y理論の重視によって、TQCなどが生まれた。

トップダウンの発想は、パラダイムとして深く根付いている。
指示命令をリレーして伝えるだけで、システマティックに動かそうとすれば、
組織の中から活力が失われる。一方通行のコミュニケーションは通用しない。

アメリカの政治学者であるH・D・ラスウェルは、
権力、健康、富、知識、技能、社会的地位、愛情、徳の8つの価値を、
与えたり剥奪したりする手段として発生するパワーを、権力と呼んでいる。
その背景には、強制的に人を従わせる裏付けがある。

どの組織の「就業規則」にも、正当な理由なく指示命令を拒めないと定められる。
明らかに法令や規範を違反しない限り、メンバーはリーダーに従わざるを得ない。

自分から口に出さずとも、メンバーはリーダーの力を強く意識している。
ちょっとした受け答えにも神経を注ぎ、不当に評価されないよう言葉を選ぶ。
そのうえ肩書をちらつかせたら、バリアを張って打ち解けようとしない。

メンバーと接するときは、肩書は背広の内ポケットに隠し、相手の言い分を聞く。
喉に刃を突きつけられていたら、誰だってホンネを明かさない。

リーダーが考えているより、メンバーは自分の立場に危機感を覚えている。
相手の心に恐怖を植えつけるより、可能性へのチャレンジに目を向けさせる。

時代の流れに応じて、さまざまなマネジメントが説かれているが、
重要なのは、人をどう捉えるかの視点、人に対する哲学があるかどうか。
学ぶべきときに忘れず、自分の心の中をクリーンにする。

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