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2011年4月30日 (土)

行間の余韻を味わおう02

① 旅先で詩を読もう

出張や旅行など、
ふだんの生活と違う場所へ行くときは、
カバンの片隅に詩集を一冊入れて、
列車に揺られながら読んでみましょう。
新潟から秋田へ向かう列車の中で、
中原中也の『北の海』を読んでいたら、
思わず涙が流れてきました。

② 何が隠れているか

オーウェンの『動物農場』や
ソルジェニツィンの『ガン病棟』は、
政治権力を諷刺した小説ですが、
直接的に批判の対象は描かれていません。
作品全体が暗喩になっていることも、
書かれた状況によっては考えられます。
洞察力が求められるのです。

③ 文の真意を察する

ビジネス文書では、
督促状や抗議状などの文面でも、
事後の関係を保とうと配慮しますから、
ていねいな文が綴られています。
しかし、その内容は、
明らかに督促であり抗議です。
柔らかな表現に惑わされず、
真意を読みとらないと、
タイヘンなことになります。

④ リラックスしよう

言葉の意味を追っているだけでは、
行間の余韻を味わうことはできません。
穏やかな気持ちで、ゆったりと向き合えば、
イメージが広がってきます。
俳句や短歌の短詩なら、
一首読むたびに目を瞑り、
ビジュアルな映像を頭の中に描きましょう。

キャパシティが大きい人ほど、
文章の行間を読みとります。
猪突猛進して目的を果たすだけでなく、
道草する人生があることも知っておきましょう。

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2011年4月29日 (金)

行間の余韻を味わおう01

俳句や和歌の奥行きが深いのは、
言葉で表現されない余白に、
さまざまな意味を感じさせ、
大きな世界を演出するからです。
松尾芭蕉の山寺立石寺で詠んだ俳句などは、
情景として映るのは一面に響く蝉時雨です。
その鳴き声が大きいほど静寂が伝わります。

こうした表現形式は、
日本人には好まれています。
山寺の孤立した静けさを表すのに、
対照的な蝉時雨の響きを強く描写して、
他に何もないことを暗示しています。
敬語などにも見られるように、
直接的な表現を避けるのが
日本人の美学です。

国際的なコミュニケーションの問題としては、
いろいろな課題が残されているでしょうが、
文化として捉えたときには、
大切に守りたい日本人の感性です。
日常の動作の中に、
ふとしたことで宇宙を発見するのは、
華道や茶道にも通じる意識なのです。

短詩型の作品だけでなく、
普通の文章を読むときでも、
行間に秘められた思いを、
どれだけ察することができるかで、
読む深さは確実に異なります。
相手を激しく批判するときさえ、
シロクロつけずに悟らせるのが、
日本人の書く文章の典型です。

年長者からの手紙には、
文面の裏側まで配慮して、
真意を読みとる必要があります。
成功を祝う言葉の陰に、
自重を促す戒めが隠されていたり、
厳しい叱責の奥には、
大きな期待が宿っていたりします。
察しが悪い人には、
こうした表現は伝わりません。

実用的な目的で本を読むだけでなく、
ぼんやりとページを開いてみましょう。
菜の花の咲き乱れる草原で、
午睡を楽しむような無為の時間を、
日々の生活の中に採り入れましょう。
余韻を味わえるのは、
気持ちの余裕があるからです。

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2011年4月28日 (木)

レベルを判断する基準を持つ02

① どこまで行き届いているか

細かい部分までフォローして、
隙間を埋めている本は、
書き手がテーマをよく理解し、
伝えようとする気持ちが溢れています。
わかりやすい表現ができるのは、
著者に自信と裏付けがあるからです。
くどいくらいに説明してある本は、
読む値打ちがあるといえます。

② 従来の論理を乗り越えたか

無前提にオリジナルな意見を発表されても、
どう位置付ければ良いのかわかりません。
従来の諸説を踏まえて、
アウフヘーベンした結果、
新しい論理を展開しているなら、
その値打ちは納得できます。
どれだけ論理を積み重ねているかで
判断しましょう。

③ どれほどの感動を与えたか

読んだ後に心が震え、
涙が止まらないような本は、
世間の評価とは別に、
自分にとっては価値ある1冊です。
どこが心を震わせたのか、
何度も読み直して、
自分自身の感性を磨くことも必要です。
喜怒哀楽にダイレクトに迫る本は、
感性を高めるベースになります。

④ 文章の完成度が高いか否か

日本語としての表現や言葉の選び方で、
ひと味違う文章を理解するためには、
エッセイの名手と呼ばれる人の本を、
たくさん読んでイメージをふくらますことです。
芭蕉のどこが凄いのか、わかるようになれば、
文章を見る目が養われてきたのです。

質屋さんは修業時代に、
本物の宝石をたくさん見ます。
そのことで真贋を見分ける目が鍛えられるのです。
評価の定まっている本を、
たくさん読むことに通じます。

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2011年4月27日 (水)

レベルを判断する基準を持つ01

自分にとって読みやすい本が、
レベルの高い本とは限りません。
読みやすい本から
読書生活をスタートさせるにしても、
やはりレベルの高い本を
読みこなせるようになり、
人生や仕事で実力を
身に付けたいのがホンネです。
レベルアップを図りたいのです。

基本的には、たくさんの本を読んで、
表現形式の多様さを理解して、
ボキャブラリーを豊かにし、
読解能力を高めることが大切です。
古典や名著として評価を得ている本は、
長い風雪に堪えて生き残った本ですから、
判断基準として考えるには最適です。

その一方で、古典や名著は
読者ニーズが薄くなり、
新しい翻訳書が登場しない問題があります。
『源氏物語』を読むにも、
校注本より現代語訳されたもののほうが読みやすく、
与謝野晶子や谷崎潤一郎の訳より、
瀬戸内寂聴の新訳のほうが人気があります。

名著と呼ばれるものの多くは、
昭和初期に翻訳されたまま、
新訳が登場していないため、
言葉がゴツゴツしていて、
私たちの感性には馴染みません。
そうしたハードルを乗り越えて、
エッセンスを吸収することも、
本を読む楽しみと考えることです。

新しく刊行されてくる本は、
わかりやすさが一番大事です。
難しいことを、難しいままで表現するのは、
著者の怠慢と思われても仕方ありません。
難しい内容を、
どれだけ噛み砕いて伝えられるか、
それが本に付加価値を与えると、
書き手は早く気づくべきです。

そのうえで、
どれだけオリジナリティがあるのか、
そこをきちんと読みとりましょう。
少しくらい文章が下手でも、
独自の発想と展開がある本は、
レベルが高いと判断できます。
新しい理論や形式に対しては、
積極的にアプローチしたいものです。

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2011年4月26日 (火)

ものごとを立体的に捉える02

① ベースになる情報は信じられるか

文章の前提になる情報に、
どれだけ信頼をおけるのか、
極めて重要な意味を持ちます。
間違った前提から導かれる論証は、
どれだけ精緻に組み立てられても、
正しい結論には至りません。
斬新なテーマであるほど、
眉に唾をつけてから読むことです。

② データや資料の数値は正確なのか

科学的根拠のある推論でも、
確率が50%なのか5%なのかでは、
問題の大きさが違います。
針小棒大にデータを扱えば、
読者を煙に巻けますが、
すぐにお里が知れてしまいます。
データや資料の扱い方に根拠がない本は、
文章からも説得力を感じません。

③ 文章展開の筋道は通っているのか

最初に書かれてある主張と、
最後に力説している主張が、
途中のプロセスで説明もなく、
いきなり逆転している本があります。
読み手の力量の問題もあるでしょうが、
基本的なところで
論理が飛躍する本は信用できません。
読者としては、振り回される気分です。

④ 書き手の価値観に納得できるのか

社会規範に反せず人権を侵害しなければ、
表現の自由は保障されていますから、
さまざまな価値観に基づいた
出版物が刊行されています。
自分にとって納得できない本も、
数多く書店に陳列されていると考えましょう。
価値観の距離をきちんと測ることです。

有名な著者だから、
名の知れた出版社だから、
無前提に正しいと考えるのではなく、
自分の目で
値打ちを確かめることが大事です。
無名でも掘り出し物はあるのです。

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2011年4月25日 (月)

ものごとを立体的に捉える01

お茶や海苔を入れる茶筒は、
上から見れば円ですし、
横から見れば長方形です。
斜めから立体的に見たときに、
初めて円筒とわかります。
言われてみれば、簡単なことですが、
私たちは意外と一方向からしか、
ものごとを捉えないケースが多いようです。

提出された企画書や報告書を読むときに、
書かれた文章を素直に受け入れるだけでは、
読み手としての見識が疑われかねません。
一つひとつデータや資料を確かめて、
着眼点が正しいか否か判断し、
気になるところは必ずチェックするでしょう。

それが、本という形になると、
頭から鵜呑みにしてしまいます。
手書きの文字と
印刷された文字の違いはありますが、
最近のパソコンやワープロを使えば、
それなりに美しい文書は仕上げられます。
器用な人なら、
糊とホチキスで製本までするのです。

だからといって、
社内文書は社内文書に過ぎません。
出版社から刊行されている本は、
その道のプロである編集者が認め、
値打ちがあると判断したからこそ、
書店の棚や平台に並べられているのです。
そうした意見は、
ある角度からは正論といえるでしょう。

しかし、企画書や報告書の
クオリティに差があるように、
出版物の内容も
ピンからキリまであるのは事実です。
市場に50万点の書籍が流通しているのですから、
1位から50万位までランキングしたときに、
刊行するレベルに達していない本もあり得ます。

同じ出版社から刊行されている本でも、
編集者によってコンセプトも異なり、
細かい部分の本づくりも違います。
まして著者一人ひとりを捉えれば、
同じ情報を手に入れても、
それぞれ解釈は分かれます。
判断する角度は一方向ではないのです。

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2011年4月24日 (日)

テーマの背景を整理しよう02

① 時代背景を考える

個人の意識は、
時代と環境によって形づくられます。
明治時代の文章には明治の匂いがあり、
昭和時代の文章には昭和の色彩があります。
独自の主張を展開しているように見えても、
生まれた時代から自由ではあり得ないのです。

② 人間関係を考える

人間は、一人では生きていけません。
さまざまなしがらみに悩まされ、
いくつもの修羅場を潜り抜け、
一人で立っているように演じます。
著者の人間関係に踏み込んで、
書くモチベーションを探れば、
人間関係の複雑な絵模様が浮かんできます。

③ 内的動機を考える

1冊の本を書くには、
膨大なエネルギーが消費されます。
最後まで書き上げるだけの熱意がなければ、
私たちが本として出会うこともありません。
何が著者の気持ちを突き動かしたのか、
深層心理に潜むものを掘り起こし、
情熱の源泉を明らかにしましょう。

④ 商品価値を考える

読者ニーズに応えることを
目的として書かれた本は、
商品価値がなければ
書店で生き残れない運命です。
ビジネス実務書や実用書のジャンルは
、徹底的に商品として仕上げられています。
冷徹なまなざしでチェックして、
きちんと評価することが大切です。

何を書こうとしているのか、
著者の意図を理解して、
根っこの部分を読み誤らないことです。
書き手のモチベーションの伝わらない本は、
読んでも心を揺すぶられないのです。

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2011年4月23日 (土)

テーマの背景を整理しよう01

本屋さんを覗くと、さまざまな本が並べられ、
それぞれに存在を主張しています。
私たち読む側から眺めると、
同じような企画の本が、
どうしてこんなにたくさんあるのかと、
不思議に感じるときもあります。
しかし、1冊ごとに
必然的な背景があるのです。

これは、本ばかりではありません。
社内で提出される論文やレポートも、
理由なく書かれているわけではありません。
上司からの業務命令であったり、
社内コンクールの課題であったり、
何らかのモチベーションが働いて、
文章を書くという作業に繋がります。

出版社の編集部が企画を立て、
著者に執筆を依頼するときでも、
一つひとつの本には背景があります。
読者ニーズを予測して、
最も説得力のある著者を想定して、
出版企画は進行します。
生まれるべき必然性が希薄なら、
編集会議で潰されます。

たとえば1927年に自殺した芥川龍之介が、
遺稿『或る阿呆の一生』を
書かざるを得なかったのは、
彼の内的動機だけでなく、
1931年に勃発した満州事変以降の、
日本の暗い時代への予兆がありました。
究極の自己否定に
追い詰められる背景があったのです。

こうした背景を理解していないと、
おもしろくもないのです。
芥川の作品に限らず、
どのジャンルの本であっても、
生まれてきた背景を知らなければ、
文章の本質に迫ることはできません。
1冊の自己啓発書であっても、
木の股から生まれたわけではないのです。

テーマの背景が希薄な本は、
説得力がない本といえます。
恣意的に生み出された文章は、
自費出版された日記のようです。
テーマの背景に一歩踏み込むことで、
本の値打ちがわかってくると考えましょう。

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2011年4月22日 (金)

ライフワークを見つけよう02

① 自分は何をやりたいか

たった一度の人生ですから、
思い残すことないよう、
力一杯頑張りたいものです。
毎日を充実させるためには、
どの方向を目指せば良いのか、
最初の段階では、
肩に力を入れず考えてみましょう。
大上段に構えると、身動きできなくなります。

② 自分は何ができるのか

小学生の夢ならば、
プロ野球選手になり満塁ホームランを打つことも、
ミュージシャンになり武道館を満員にすることも、
頭から不可能と断言する勇気は誰にもありません。
いつまでも小学生ではないと自覚して、
できること、できないことを切り分けることです。

③ 自分に何が足りないか

ライフワークを見つけるためには、
自分自身をよく知ることが前提です。
そのうえで、歩き出すために必要なものを、
きちんと列挙してみましょう。
スタート地点に立つ前に、
やるべきことをやっておけば、
後がラクになるのです。
自分をチェックしてみましょう。

④ 未来の可能性を探ろう

性格判断や適性検査など上手に活かして、
あらゆる角度から自分の可能性を検証し、
チャレンジできる環境をつくりましょう。
今までにやってなかったことは、
これから先もできないことではありません。
四〇代や五〇代に、
ライフワークを見つけた人も多いのです。

いつでもポジティブに
人生と向かい合っていれば、
本との出会いも豊かにふくらんできます。
人生の節目ごとに読むべき本が訪れます。

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2011年4月21日 (木)

ライフワークを見つけよう01

満員の通勤電車の中や、
眠る前のベッドの中で、
真剣なまなざしでページをめくるのは、
読書が好きという理由だけではありません。
自分に不足している知識や教養を身に付けて、
企画力や発想力を鍛え直し、
自己実現を果たしたいから、
一生懸命に本を読むのです。

何のために本を読むのか、
もう一度、自分自身に問い直してみましょう。
たくさんの蔵書に埋もれて、自己満足に浸るために、
本を読んでいるわけではないでしょう。
どんな仕事がしたいのか、
どんな人物になりたいのか、
そこが重要なポイントです。

今の仕事の延長線上に、
なりたい自分がいる人は、
とても恵まれていると思います。
会社という組織の中枢を担おうとしているのか、
独立して一国一城の主になろうとしているのか、
選択肢はいろいろありますが、
脇目も振らず仕事に邁進できる環境です。

二足の草鞋を履こうとする人もいます。
世間から見た本業と副業と、
本人が意識する本業と副業では、
逆転しているケースが多いようです。
方向性が異なる仕事なら、
長続きすることもありますが、
同じエリアの仕事なら、
二足の草鞋は短期勝負と割り切りましょう。

職業とすることは難しい趣味の世界を、
ライフワークにしようと考えるなら、
絶対に無理しないことが鉄則でしょう。
経済的にも時間的にも、上手にバランスをとり、
継続させることが一番大事です。
最優先させたいなら、
一発勝負で本業にすることです。

人生の目標が明らかになれば、
自ずから読書計画が決まります。
切迫したテーマの本を優先し、
楽しむ本は後回しになります。
だからといって、
仕事に関わる本だけを読むのではなく、
状況を踏まえながら心を癒せば良いでしょう。
長い目で判断することです。

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2011年4月20日 (水)

テーマの系統で追いかける02

① 身近なテーマを掘り下げよう

仕事に限らず、家族や地域社会の問題など、
日頃から気になっているテーマを絞り込み、
関連書籍を読み進めると長続きします。
大上段に構えて、
国際政治や日本経済を追いかけても、
親近感が湧かなければ途中で挫折するでしょう。
背伸びしないことが大切です。

② 好きなテーマを掘り下げよう

読みたい本を読んでいると、
時間はすぐに経つものですが、
読まなければならない本は、
なかなかページが進みません。
自分自身がおもしろいと思わなければ、
本を読むという作業は面倒に感じられます。
好きな本の周辺から読み進めるのが一番です。

③ 役立つテーマを掘り下げよう

本は読み終えることが目的ではなく、
読んで得た知識や発想を、
仕事や人生に活かすことです。
読書の結果で自己実現が進めば、
読書に対する意欲も旺盛になります。
できることなら、
日々の生活に影響を及ぼすテーマを探しましょう。

④ 明日のテーマを掘り下げよう

本を読もうとする気持ちには、
少しでも成長したい願いがあります。
5年後、10年後のビジョンを明確に描いて、
目標を意識したテーマを設定しましょう。
難しい本でも、時間をかけて読み込めば、
大まかに理解できるでしょう。
何度も読み返すことです。

たくさんの本の中からテーマを決めるには、
自分自身を中心に据えるしかありません。
周囲の評価に惑わされず、
自分に正直になることです。

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2011年4月19日 (火)

テーマの系統で追いかける01

興味のあるテーマを中心に、
関連する書籍を次々と読み進み、
自分の考え方をまとめていく方法もあります。
学術研究などは、
プロセスで資料やデータを集め、
結論を求めるためにアプローチします。
客観的な認識が身に付くノウハウです。

あまり多くのテーマを追うと、
自分が引き裂かれるようで、
負担が大きくなるだけでしょう。
強く心を動かすものに、
絞り込んだほうが賢明です。
自分の仕事に関わるテーマを追いかけるのが、
一般的でもあり、
最も効果的な選択と考えられます。

たとえば、営業マンならば、
営業に関わる本から読み始めることです。
営業のハウツウ書だけでなく、
他業界の営業マンの奮戦記や、
営業理論を研究した論文など、
硬軟とり混ぜて
営業というテーマを追いかけるのです。

マーケティングやプレゼンテーションに、
関心を抱くまで時間は要しないでしょう。
企画や経営の問題についても、
他人事と考えなくなります。
営業というテーマを真剣に追い続ければ、
仕事の全体像が把握できるようになるのです。
最も効率的なルートです。

テーマで追いかけながら本を読んでいくと、
歳月を重ねるに連れて、
無理なくジャンルが広がってきます。
それぞれのテーマを深く掘り下げるほど、
他のテーマと結びついていくからです。
長期的な視野に立てば、
かなり幅広い知識を身に付けられます。

上司や先輩からアドバイスを受けたり、
研修セミナーに参加するときも、
テーマが決まっていれば、
一つひとつの意見が実になります。
同じ傾向のものばかり選ばず、
さまざまな角度からアプローチして、
テーマ全体を極めることが肝心です。

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2011年4月18日 (月)

著者の系統で追いかける02

① 著者の論理を追いかける

本に表れている価値観を背景にして、
ものの見方や考え方を
体系的に捉えましょう。
自己啓発書のようなジャンルでも、
仕事や人生に対する考え方は、
鮮明に浮かび上がってくるものです。
まして思想や文学であれば、
論理を認識することで
理解は一層深まります。

② 著者の感性を追いかける

シチュエーションに対して、
著者がどのように感じ行動するか、
系統立って読んでいくとわかります。
著者に対する共感は、
自分自身の感性の発見にもなります。
感情移入して読むほど、
喜怒哀楽のパターンは増えます。
繊細な神経が養われます。

③ 著者の文体を追いかける

文章のスタイルは、著者の人格に似ています。
疲れたときにページを開くと、
心身が癒される著者を見つけましょう。
仕事で落ち込んでいるときに、
読めば元気が湧いてくる著者もいます。
文章や内容ではなく、
自分に心地よい著者と出会えた人は幸福です。

④ 著者の人生を追いかける

一人の著者を徹底的に追いかけていると、
著作物だけに関心はとどまらず、
どんな人生を送ったのか気になります。
他の著者が書いた評論やエッセイを手がかりに、
トータルに著者の人生を捉えても、おもしろいでしょう。
自分自身の人生のヒントが潜んでいます。

ジャンルによっては、
講演会やセミナーなど、
著者の肉声に触れるチャンスもあります。
マナーをきちんと守ったうえでアクセスすれば、
学べることは決して少なくないでしょう。

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2011年4月17日 (日)

著者の系統で追いかける01

どのような本にも、
それを書いた著者がいます。
組織や団体の名であっても、
内部で意見が調整され、
執筆者が実際に文章を綴り、
一人の著者と同じように機能します。
連続した表現の主体であり、
情報発信のベースとして、
捉えられるという点では同じです。

提示するテーマやジャンルが異なっても、
著者は独自の視点とノウハウを持ち、
自己表現のスタイルも確立されています。
主張する意見に筋が通っているのは、
同じ価値観から
ものを見たり考えたりしているからです。
読者の著者に対する信頼が生まれます。

著者の人生に衝撃が走れば、
価値観が180度転換することも、
決して珍しくはありません。
私たちの人生でも、
会社に雇われていたときと、
独立して会社を経営したときでは、
仕事に対する考え方は、
まったく違ったものになります。
同じ人の考え方と思えません。

だからといって、
どちらかがウソというわけでもありません。
それぞれに、そのときは真実だったのです。
どのように評価するのかは第三者の問題と、
割り切らなければ生きていくことはできません。
著者と著作物の関係も、
同じように理解することです。

ものの見方考え方や文体が気になる著者は、
しばらく追いかけてみるのも良いでしょう。
文学者や芸術家の実人生と作品は、
微妙に揺れながら影響を及ぼされ、
お互いに深く関わり合っています。
実際に付き合うような感覚で、
著者を追えば理解できるでしょう。

中途半端に追いかけるなら、
著者に対する判断は下さないほうが賢明です。
50冊の著作のうち、たまたま読んだ数冊で
著者全体を捉えるのは、
情報不足で危険と考えましょう。
基本的には1冊の著作物として判断し、
追いかけるなら徹底的に読み尽くすことです。

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2011年4月16日 (土)

速読の技術に頼らない02

① 自覚して本を読む

読む目的を明らかにして、ページを開きましょう。
推理小説を読むときなら、
事件の謎を解き明かそうと読むでしょう。
それだけでキーワードが目に飛び込み、
全体の輪郭が鮮明に浮かび上がってくるのです。
漫然と読むだけでは、文章が頭に入りません。

② 集中して本を読む

気になることがあるときは、
本の内容が理解できません。
意識が拡散して、文字を目で追うだけになります。
デートの待ち合わせが気になって、
上司の叱声を上の空で聞いている状態です。
気合いを入れて精神を集中させることが、
本を読むときには求められるのです。

③ 整理して本を読む

ドストエフスキーの作品を読んでいると、
登場するロシア人の名が覚えられず、
肝心要のストーリーがわからなくなります。
自分の記憶が怪しいと感じたら、
紙にフローチャートなど書いて、
内容を整理することが肝心です。
勢いで読み進まないほうが賢明でしょう。

④ 本を読んで考える

次々と新しい本を読むより、
適当にインターバルを開けて、
考える時間をつくりましょう。
小説や詩歌であれば、
余韻に浸る時間が欲しいのです。
本を読むことは、
自分の人生に付加価値をつけることであり、
豊かに実らせることです。
主客転倒しないことです。

「人生は短く、読む本は多い」と、
嘆きたくなる気持ちはわかりますが、
せっかく1冊の本と出会ったのですから、
その縁を大切に育てたいものです。

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2011年4月15日 (金)

速読の技術に頼らない01

本を読むという行動は、
視覚で捉えた情報を、脳で判断して理解します。
知識や情報を記憶として蓄積することも大事ですが、
目で情報を認識しなければ、
読むという行動は始まりません。
このスピードが速くなれば、
たくさんの本が読めるということになります。

目で情報を捉える原理は、
カメラでピントを合わせるのと同じです。
網膜の中央部に映し出された文字群を、
意味のある文章として認識します。
このとき記憶のメカニズムにより、
生理的に捉えていない文章でも、
脳の内部で理解されていることがあります。

目が文章を追っているとき、
自動車が高速道路を走っているように、
滑らかに進んでいるのではありません。
文章を捉える「停留」の時間と、
次の文章に進む「移動」の時間が、
瞬時に繰り返されるのですが、
停留の時間が95%を占めているといわれます。

サラリーマンが一般書を読むときの速さは、
毎分300字から800字ということです。
速読の技術を身に付けると、
毎分1,000字以上は読めるそうです。
眼球運動をトレーニングして、
情報を捉える量を拡大させれば、
読む速度は訓練されていくでしょう。

私どもの仕事では、本を読むことは不可欠ですから、
普通の人よりは速く読んでいます。
ビジネス書であれば、2時間もあれば読み終わります。
しかし、速読の技術を身に付けているとは考えません。
読書量に比例して、自然に速く読めるようになります。

大切なのは、速く読むことではなく、
深く読むことです。
知識量を競うよりも、
そこから何を学び、どう活かしたかが重要です。
100冊の本を読んで頭でっかちになるより、
1冊の本に感動し人生を変えるほうが、
はるかに素晴らしいと思いませんか!?

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2011年4月14日 (木)

コミックスを読むポイント02

① テーマを読みとる

大胆かつダイレクトに、
コミックスはテーマを提示しています。
友情、正義、修行など、
小説や評論の世界では伝わりにくいテーマを、
見事に描く作品が多いのも一つの特長です。
シンプルですが力強い表現形式が、
読者の胸に迫るからでしょう。

② 絵と文字を繋げる

コミックスは絵本でもなく、戯曲でもありません。
絵と台詞や擬音語の組み合わせで、
イメージを表現しています。
吹き出しの文字だけを追いかけたら、
平板な内容しか感じ取れません。
絵だけを評価したら稚拙なものもあります。
両者を一体で受けとめましょう。

③ 雰囲気を共有する

天衣無縫なシチュエーションに惑わされて、
コミックスを敬遠する人もいますが、
全体を貫く雰囲気に馴染み、
楽しみながら読むことが肝心です。
角を生やしたアニマル・ビキニのラムちゃんや、
下駄履きで突然発砲する両津巡査を、
素直な気持ちで受け入れることです。

④ 自分から飛び込む

純文学や人文科学の本を読むのはカッコ良く、
漫画を読んでいる姿はカッコ悪いなど、
自分の内部にある
知のヒエラルキーを突き崩しましょう。
たくさんの人に受け入れられている表現形式を、
フラットに捉えるだけでも
従来の価値観を問い直せます。

年代を重ねるに連れて、
コミックスは意識的に接しなければ、
遠ざかっていく世界と考えましょう。
定期購読誌の中に
いくつかのコミックス誌を組み入れることです。

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2011年4月13日 (水)

コミックスを読むポイント01

コミックスは英語のcomic stripの略で、
帯状に連なった喜劇的なものという意味です。
早い話が、ストーリー性のある漫画です。
『鳥獣戯画』の昔から
漫画は庶民に親しまれてきましたが、
本という媒体の中でも
コミックスのウエイトが高くなっているのが現状です。

日本でストーリー性のあるコミックスが描かれたのは、
田河水泡の『のらくら』や
島田啓三の『冒険ダン吉』が最初でしょう。
『サザエさん』など長谷川町子の作品は、
その系譜を継ぐものですが、
日本のコミックスを確立したのは、
やはり手塚治虫でしょう。

手塚治虫の初期代表作といえば
『鉄腕アトム』ですが、
『ジャングル大帝レオ』や『リボンの騎士』などで、
少年少女漫画の世界は切り開かれました。
後年には『火の鳥』や『陽だまりの樹』などにより、
漫画が持っていた世代間の壁を打ち破りました。

白土三平の『忍者武芸帳』や『カムイ外伝』から、
大友克洋の『童夢』や『AKIRA』まで、
コミックスを少年少女対象から解き放した作品は、
今でも数限りなく登場していますが、
コミックスを表現として認知させたのは、
手塚治虫の功績といえるでしょう。

アニメーションの技術の進化も力にして、
コミックスは雑誌や単行本だけでなく、
TVや映画でも多くの人に支持され、
大きな文化勢力として伸長しています。
1週間に500万部発行される少年週刊誌から、
初版100万部の単行本コミックスが生まれます。

文字だけの表現に比べると、
コミックスの表現の可能性は多様であり、
端的にデフォルメすることにより、
形式もはるかに自由に表せます。
読書の範囲からコミックスを取り除いたら、
これからの時代の感性は理解できません。
積極的に触れたい世界です。

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2011年4月12日 (火)

思想哲学を読むポイント02

① ゆっくり時間をかけよう

言葉づかいが難しいのは、
著者が悪戦苦闘している証です。
一つの言葉にたどり着くにも、
さまざまな角度からアプローチして、
厳密に意味を絞り込もうとします。
抽象的な概念であるほど、
表意文字である漢字を使うと、
意味が重複してわからなくなります。

② 理解できるまで読み直そう

文章は著者の意思を伝えるとともに、
時代の価値観を表します。
西洋哲学を理解しようとするなら、
キリスト教の神の概念を、
欧米の知識人がどう受けとめていたか、
踏まえなければ先には進めません。
そうしたことも学びながら、
何度でもジックリ読み直しましょう。

③ 入門書や解説書を使おう

翻訳書でも
明治初期のものと現代のものを比べると、
はるかに読みやすくなっているのは事実です。
難しいテーマであれば、
最初に入門書や解説書を読んで、
レールを敷くという方法もあります。
難しい内容を平易に書ける人が、
コンセプトを理解しているのです。

④ 思考のパラダイムを学ぼう

著者それぞれの世界観や
人生観を体系化する
思考のパラダイム(枠組み)を理解して、
自分自身のものの見方考え方に
応用してみましょう。
合理的に問題解決しようとするときに、
ヘーゲルやマルクスの弁証法は
未だ有効です。
そうした技術を身に付けることです。

思想や哲学の本は、
実に含蓄のある言葉に溢れています。
その意味は深く、
人生や仕事について考えさせられます。
とくに中国の古典は、
読んでおいたほうが良いでしょう。

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2011年4月11日 (月)

思想哲学を読むポイント01

思想というと
「東洋思想」をイメージし、
哲学というと
「西洋哲学」を思い浮かべます。
何れにしても頭の痛くなるような
難しい文章で綴られ、
仕事にも人生にも関わらない
種類の本と考えられています。
大学の研究室だけで
読まれている印象です。

実際に、本屋さんでコーナーを覗くと、
四字熟語のオンパレードです。
『純粋理性批判』『存在と時間』『存在と無』
『論語』『中庸』『孫子』など、
手に取る前に万歳したくなるタイトルです。
ページを開くと、
漢字の隙間にひらがなが、
わずかに残されています。

翻訳や用語の問題もあるのでしょうが、
確かに思想書や哲学書は、
馴染みにくいジャンルです。
難しければ難しいほど
値打ちがあるような雰囲気を、
送り手も意識しているような。
選び抜かれた読者だけが手にする本と、
割り切っているのでしょうか。

哲学書や思想書の基本的なコンセプトは、
自分の存在と世界を明らかにすることです。
思考する人の立脚点や
価値観によっても違いますし、
世界を捉える方法論や
視座によっても異なります。
著者の内部で体系化されていることが、
千差万別に表されているのです。

そのうえ、思想や哲学を支えるものは、
思考に対する絶対的信頼です。
自分自身の世界を形づくるために、
誰も聞いたことのない言葉を生み出し、
独自の論法で定義付けようと試みます。
双方向のコミュニケーションに慣れた私たちには、
強靱な壁に思えます。

しかし、こうした思考のパラダイムが、
さまざまな発想に影響を及ぼし、
私たちの意識を決定しているのも確かです。
思想書や哲学書を噛み砕き、
平易に説かれたものに、
私たちは感動しているのです。
ときには原典に触れ、
自分の感性で確かめましょう。

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2011年4月10日 (日)

ベストセラーを読むポイント02

① 時代の空気を感じよう

不況が長く続くと
「節約」をテーマにした本が注目されたり、
政財界で贈収賄事件が頻発すると
『清貧の思想』が広く読まれたり、
ベストセラーの背景には、
時代に漂う匂いがあります。
捕らえどころのない状況を、
解き明かすキーワードがあります。

② トレンドの最先端を読もう

変化の激しい時代になるほど、
対応の遅れは致命的になります。
新しい発想やシステムを提示すると、
間違いなく反応する読者層があります。
層が厚いテーマであれば、
ミリオンセラーまで成長します。
ライフサイクルが短いものが多いようです。

③ 誰が時代のシンボルなのか

山口百恵が
芸能界を引退するときに発表した『蒼い時』は、
彼女のファンだけでなく
幅広い読者の支持を得ました。
そのとき彼女は一人の歌手でなく、
時代をシンボライズしていたのです。
芸能人やタレントの本は、
どんなに人気者でも、それだけでは売れません。

④ プロモーションを学ぼう

初版部数の決定から広告宣伝のメディア戦略まで、
本という商品をプロモートするやり方を勉強して、
自分の仕事のプレゼンテーションに活かしましょう。
ベストセラーになるような本は、
細かいところまで神経が行き届いています。
そこを見逃さないことです。

ベストセラーは時代を映す鏡です。
好き嫌いに関わらず
、同時代を生きている雰囲気を、
皮膚感覚で吸収することです。
ミーハー感覚を忘れないことです。

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2011年4月 9日 (土)

ベストセラーを読むポイント01

ベストセラーとは、
ある一定期間に最も多く売れた本です。
月刊ランクや週間ランクを、
店頭で発表している書店もあります。
内容の評価とは別に、
読者に最もアピールしたという点で、
注目すべき要素はたくさんあります。
魅力があるから、売れたのです。

ベストセラーを軽薄なものと決めつけて、
絶対にページを開かない知識人もいます。
自分を一段高い場所に置き、
一般大衆を見下した発想です。
メディアに踊らされたとしても、
財布の紐を緩めて本を買ったのは、
ベストセラーを支持した一人ひとりの読者です。

電波媒体と企画段階からジョイントしたり、
全国紙に大々的な広告を掲載したり、
他のメディアと複合的にイベントを展開したり、
その結果でベストセラーに押し上げた例もあります。
しかし、同じことをやって、
企画倒れになるものも少なくないのです。

学術書や専門書に読者の目が向けられず、
地道な出版活動が継続しにくい状況で、
書くことは素人に近い芸人やタレントの本が、
アッという間に数十万部売れてしまうと、
ひと言はさみたくなる気持ちはよくわかります。
文化レベルが低いと嘆きたくなるでしょう。

だからといって、
売れない本が高級というわけではありません。
難しいテーマを、
難しいままで伝えようとするから、
ますます受け入れられないのです。
文化のレベルは国民のレベルであり、
ベストセラーを批判することは、
天に向かって唾吐く行為と同じです。

四の五のリクツを言う前に、
ベストセラーのどこが支持されたのか、
謙虚な姿勢で向き合うことが大切です。
何の理由もなくお金を払うほど、
日本人は裕福ではありません。
素直に読者ニーズを知ることで、
企画のコンセプトを理解しましょう。

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2011年4月 8日 (金)

推理小説を読むポイント02

① 解決へのルートを整理する

推理小説の醍醐味は、
読者が名探偵になり、
難事件を解決することです。
与えられたヒントを組み立て、
目的に至る方法論を探り出しましょう。
見落としている点はないか、
方向性は間違っていないか、
冷静な判断力が求められます。

② 犯罪心理にアプローチする

推理小説のもう一人の主人公は、
名探偵に追い込まれる犯人です。
犯罪に至る心理プロセスは、
犯人にとっては必然の帰結です。
自分が犯人と同じ境遇であれば、
どのような選択をしたのか、
シミュレーションを展開し、
人間心理の深層に迫ることが必要です。

③ 柔軟な発想でジャンプする

問題を解決するキーワードは、
言葉の森に隠されていることもあります。
筋道立った思考回路を追うだけでなく、
ときには飛躍した発想で、
問題の本質に迫ることです。
今まで築きあげたものをすべて捨て、
まったく違った角度から捉え直しましょう。

④ 知のピラミッドを構築する

推理小説は、基本的に
著者と読者の知恵比べですから、
さまざまな知的ゲームが仕掛けられています。
発想や思考を競うだけでなく、
博学多才な著者の罠に、読者が陥ることもあります。
読み終わった後に、
新しい世界に目が見開かれるのも、
推理小説の楽しみです。

柔らかな頭にならなければ、
推理小説の犯人を追い詰めることも、
仕事の問題を解決することも、
なかなか思い通りになりません。
ときには大きく深呼吸しましょう。

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2011年4月 7日 (木)

推理小説を読むポイント01

江戸川乱歩によれば、
推理小説とは「犯罪に関わる難解な秘密を、
論理的に解いていくおもしろさを主眼」としたものです。
もちろん、これは
本格推理小説と呼ばれるものに対してであり、
ハード・ボイルドやミステリーに対しては
説明不足のように思えます。

チャンドラーの『長いお別れ』や
フレミングの『ロシアより愛をこめて』も良いのですが、
あまり範囲を広げすぎると頭の中が混乱しますので、
ここでは江戸川乱歩の定義に基づいて、
推理小説を「謎解きの文学」と解釈して進めます。

1841年に発表された
E・A・ポーの『モルグ街の殺人』が、
最初の推理小説です。
最初の名探偵オーギュスト・デュポンも、
このときに誕生しています。
世界で一番有名な名探偵シャーロック・ホームズは、
その後にコナン・ドイルの手で生み出されました。

『Xの悲劇』『Yの悲劇』のエラリー・クィーン、
『樽』のクロフツ、
ミステリーの女王と称されたアガサ・クリスティなど、
推理小説の名手は枚挙に暇がありません。
灰色の脳細胞を刺激して、
読者を思考の迷路に誘います。

日本では、江戸川乱歩の『二銭銅貨』から、
推理小説の系譜は始まります。
横溝正史、小栗虫太郎、高木彬光、鮎川哲也らを輩出し、
松本清張が登場する舞台の準備が整いました。
エンタティナーはその後も数多く生まれましたが、
清張の存在は超えられていないかも。

『点と線』で推理小説は、
社会小説として位置付けられました。
密室のトリックだけでなく、
犯罪の背景に潜む社会の暗部にメスを入れ、
人間の切なさと哀しみを描いたのが、
清張の作品の特色です。
清張は推理小説の手法で、
歴史へのアプローチも試みました。

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2011年4月 6日 (水)

経済小説を読むポイント02

① 経済の本質を探ろう

人間が社会生活を営むうえで、
経済は基礎を成す部分です。
マルクスの下部構造と
上部構造の理論を引くまでもなく、
生産活動を貨幣という価値に転換し、
それぞれの生活を組み立てるのです。
そのプロセスでの、利害の対立や駆け引きを、
きちんと観察しましょう。

② 企業の目的を知ろう

利益の追求を実現するために、
企業はあらゆる手段を考えます。
個々の人間が集まって企業になると考えるより、
企業そのものが
拡張する機能を備えていると捉えましょう。
企業をコントロールしようとする思惑は、
往々にして企業の論理で裏切られます。

③ 栄枯盛衰を推測しよう

万全な基盤に支えられていたはずの企業が倒壊し、
名も知らぬ小さな企業が頭角を現していく構図は、
日本経済の歴史として見慣れている風景でしょう。
その具体的な一場面が、
経済小説には描かれています。
第三者の目で冷静に、
因果関係を判断しましょう。

④ 自分はどう生きるのか

経済小説の舞台は、
会社やビジネス現場です。
想像力を働かせれば、
自分の人生によく似ています。
企画開発した商品が売れなかったり、
いきなり出向を命じられたのは、
主人公は自分と考えてみましょう。
どのように決断するのか、
追体験することが重要です。

仕事に関わる情報やデータを眺めていても、
経済小説を読んでいると、
イメージが大きく広がってきます。
一つひとつの情景が、
具体的な映像として結ばれます。

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2011年4月 5日 (火)

経済小説を読むポイント01

経済小説というジャンルは、
比較的新しい捉え方で、
1950年代の後半に、
城山三郎が『輸出』を発表してからです。
直木賞を受賞した『総会屋錦城』や、
流行語にもなった『毎日が日曜日』など、
城山作品は、常にこのジャンルのパイオニアです。

高度経済成長を背景に、
会社という組織を舞台にして、
個人が活躍する状況が整い、
経済小説が確立される土壌が耕されました。
天下国家を論じるのではなく、
日々の仕事や生活の延長線上に、
人間の真実を描くようになったのです。
親近感の湧くテーマです。

梶山季之の『黒の試走車』を初めとして、
清水一行、咲村観、広瀬仁紀、高杉良など、
このジャンルの作品は、硬軟とり混ぜ発表されています。
柳田邦男や内橋克人らのルポルタージュと相まって、
サラリーマン像が形づくられてきました。

海外でも、
『最後の診断』や『ホテル』で知られるA・ヘイリーなど、
ビジネスの現場を舞台にした作品は少なくありません。
あらゆる産業分野で会社組織が設立され、
そこで働く人々が増え続けているのですから、
当然といえば当然のことでしょう。

経済小説は臨場感があるだけに、
事実と小説を混同しがちになります。
実在の企業や人物をモデルにして、
イニシャルなどで読者に想像させるような手法も、
このジャンルには少なくないのですが、
あくまでフィクションとわきまえて読みましょう。

私たちにとって経済小説は、
シュミレーション・ゲームでもあります。
自分がその立場に置かれたとき、
どう考え行動するのか、
さまざまな可能性が提示されます。
絵空事と読み飛ばさず、
真剣に仮説を組み立てることで、
ビジネス能力が養われていくのです。

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2011年4月 4日 (月)

歴史小説を読むポイント02

① 歴史的事実を知る

12世紀の終わりに鎌倉幕府が成立し、
貴族社会が崩落したなど、
歴史的事実を知らなければ、
感情移入できません。
中学校の教科書に書かれている程度、
基本的な流れをサラッと勉強しておきましょう。
格段におもしろくなります。

② 時代背景を捉える

それぞれの時代の風俗や習慣を踏まえて、
人々が共有する価値観を理解しましょう。
私たちの時代のモノサシで、
登場人物の行動を測らないことです。
東京から大阪まで
新幹線や飛行機で移動する感覚で、
東海道をたどらないことが肝心です。

③ 関係図を整理する

登場する人物の置かれた状況や、
それぞれの利害関係を整理して、
客観的な関係図を描きましょう。
一つひとつの歴史的必然が納得できるのも、
関係の構図に説得力があるからです。
人間の行動は恣意的でなく、
唯一の選択とわかります。

④ 心理描写を考える

時代の波に呑み込まれそうな状況で、
個々の人間が自らの立場を貫き通し、
課せられた歴史的役割を果たします。
そのときに、何を思い、何を考えたのか、
登場人物の気持ちになって、
泣いたり笑ったりしましょう。
本気でのめり込むほど、血になり肉になります。

歴史小説のシチュエーションは、
人生や仕事の追体験を可能にして、
イマジネーションをふくらませます。
読み終わった後に、
視野の広がりを実感します。

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2011年4月 3日 (日)

歴史小説を読むポイント01

歴史小説というスタイルは、
19世紀にイギリスで成立しました。
デュマの『モンテ・クリスト伯』などが有名ですが、
その後もトルストイの『戦争と平和』や、
ショーロホフの『静かなドン』などの名作が、
次々と世に送り出されてきました。

日本では明治の近代文学の草創期に、
歴史文学の基本的な性格付けがされています。
坪内逍遙は『小説神髄』の中で、
歴史小説は正史や風俗史の漏れを補うものであり、
年代や事実や風俗を
誤って描いてはならないと主張しています。

つまり、過去の歴史を舞台として設定しても、
荒唐無稽なシチュエーションや、
事実に反するフィクションは、
歴史小説とは呼ばないということです。
『滝口入道』で知られる高山樗牛は、
この概念を窮屈すぎるとして退けました。

その後の展開を見ますと、
坪内逍遙の論を中心に据えて、
日本の歴史小説は発展したようです。
森鴎外の『渋江抽斎』や
島崎藤村の『夜明け前』は、
文学的完成度の高い歴史小説と評価されています。
私たちが読むには、少々肩が凝るのも事実です。

歴史小説が身近なものになるには、
司馬遼太郎の登場を待たなければなりません。
『梟の城』で直木賞を受賞して以来、
『龍馬が行く』『国盗物語』『坂の上の雲』『世に棲む日々』など、
常に話題作を提供し、
歴史の中で生きる個人の可能性を描きました。

この他にも、山岡壮八の『徳川家康』や
大佛次郎の『天皇の世紀』など、
読んでおきたい歴史小説は目白押しです。
アカデミックな正史を読む堅苦しさがなく、
歴史の真実を理解できますから、
歴史小説の人気が衰えないのも頷けます。

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2011年4月 2日 (土)

自己啓発書を読むポイント02

① 問題意識を絞り込もう

自己啓発書のテーマは幅広いので、
方向性をセグメントしなければ、
自分が読むべき本と出会えません。
何がやりたいのか、
どこへ行きたいのか、
よく考えましょう。
真剣に悩んでいるときほど、
道を開くヒントが得られます。
1行の文章に心が震えます。

② 著者との距離を測ろう

メッセージの送り手の知識や経験を、
自分というフィルターを通して、
きちんと受けとめることが大切です。
すべてを正しいと鵜呑みにすることも、
批判的に斜に構えて向かい合うことも、
自分を成長させる態度ではありません。
謙虚な姿勢で読みましょう。

③ 想像する感性を磨こう

描かれている情景を、
自分の現実に置き換えてイメージしましょう。
左遷や降格の悲哀や、抜擢や成功の興奮は、
シチュエーションは違っても、
理解できる性質のものです。
そうした想像力を働かせなければ、
自己啓発書のテーマはわかりません。

④ 人生の奥行きを知ろう

さまざまな人生があり、
それぞれの喜びや悲しみがあります。
1冊の本を書いた著者には、
心の葛藤と伝えたい真実があります。
真正面からぶつかれば、
人生の一端を垣間見ることができます。
自分自身を
深化させる意識で読むことが大切です。

自己啓発書は、
自分を高めるための本です。
今より一歩でも遠くへ進もうとする気持ちが、
読書を人生の財産にして
成功へ導く鍵となるのです。

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2011年4月 1日 (金)

自己啓発書を読むポイント01

ビジネス書の中でも、
個々のサラリーマンの
自己実現をテーマにしたものが、
自己啓発書と呼ばれるジャンルです。
仕事のうえでの成長や、
人生設計に対するアドバイスが、
自己啓発書の主要なテーマになります。
人間くさい内容が特長といえます。

ビジネス書のもう一つの流れが、
ビジネス実務書と呼ばれるジャンルです。
経理や人事などの実務的ノウハウを、
わかりやすく解説した本です。
情緒的な面を抑えて、
スキルの習得にウエイトが置かれています。
サラリーマンの学習参考書と考えられます。

それに比べて、自己啓発書は、
個人の心の問題に、
鋭く踏み込んだ内容の本です。
心理的側面からアプローチしたり、
感情的な共感を目的としたり、
人生論の要素が強いジャンルです。
サラリーマンの24時間が、
すべてテーマになるといえるでしょう。

会社という組織が個人に求めるものは、
技能や能力の切り売りではなく、
全人格的な関わりの意識です。
実際に組織の幹部に登用されるには、
実績を残すより、
人格を認められることのほうが重要なのです。
人間の器量や魅力が話題にのぼります。

そうした要請を受けて、
サラリーマンとして、いかに生きるのかを、
具体的に説いているのが自己啓発書です。
独立開業やベンチャービジネスを含めると、
職業人の人生論と位置付けられるかも。
組織の内外での人間関係がキーポイントです。

自分の未来像をイメージして、
人生のヒントになる本を探しましょう。
上司や先輩から話を聞くスタンスで、
心をラクにして読めば良いのです。
その道のエキスパートの考え方を、
自分のペースで学べるのですから、
自己啓発書は読まなければ損です。

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