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2011年4月 7日 (木)

推理小説を読むポイント01

江戸川乱歩によれば、
推理小説とは「犯罪に関わる難解な秘密を、
論理的に解いていくおもしろさを主眼」としたものです。
もちろん、これは
本格推理小説と呼ばれるものに対してであり、
ハード・ボイルドやミステリーに対しては
説明不足のように思えます。

チャンドラーの『長いお別れ』や
フレミングの『ロシアより愛をこめて』も良いのですが、
あまり範囲を広げすぎると頭の中が混乱しますので、
ここでは江戸川乱歩の定義に基づいて、
推理小説を「謎解きの文学」と解釈して進めます。

1841年に発表された
E・A・ポーの『モルグ街の殺人』が、
最初の推理小説です。
最初の名探偵オーギュスト・デュポンも、
このときに誕生しています。
世界で一番有名な名探偵シャーロック・ホームズは、
その後にコナン・ドイルの手で生み出されました。

『Xの悲劇』『Yの悲劇』のエラリー・クィーン、
『樽』のクロフツ、
ミステリーの女王と称されたアガサ・クリスティなど、
推理小説の名手は枚挙に暇がありません。
灰色の脳細胞を刺激して、
読者を思考の迷路に誘います。

日本では、江戸川乱歩の『二銭銅貨』から、
推理小説の系譜は始まります。
横溝正史、小栗虫太郎、高木彬光、鮎川哲也らを輩出し、
松本清張が登場する舞台の準備が整いました。
エンタティナーはその後も数多く生まれましたが、
清張の存在は超えられていないかも。

『点と線』で推理小説は、
社会小説として位置付けられました。
密室のトリックだけでなく、
犯罪の背景に潜む社会の暗部にメスを入れ、
人間の切なさと哀しみを描いたのが、
清張の作品の特色です。
清張は推理小説の手法で、
歴史へのアプローチも試みました。

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