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2011年4月 3日 (日)

歴史小説を読むポイント01

歴史小説というスタイルは、
19世紀にイギリスで成立しました。
デュマの『モンテ・クリスト伯』などが有名ですが、
その後もトルストイの『戦争と平和』や、
ショーロホフの『静かなドン』などの名作が、
次々と世に送り出されてきました。

日本では明治の近代文学の草創期に、
歴史文学の基本的な性格付けがされています。
坪内逍遙は『小説神髄』の中で、
歴史小説は正史や風俗史の漏れを補うものであり、
年代や事実や風俗を
誤って描いてはならないと主張しています。

つまり、過去の歴史を舞台として設定しても、
荒唐無稽なシチュエーションや、
事実に反するフィクションは、
歴史小説とは呼ばないということです。
『滝口入道』で知られる高山樗牛は、
この概念を窮屈すぎるとして退けました。

その後の展開を見ますと、
坪内逍遙の論を中心に据えて、
日本の歴史小説は発展したようです。
森鴎外の『渋江抽斎』や
島崎藤村の『夜明け前』は、
文学的完成度の高い歴史小説と評価されています。
私たちが読むには、少々肩が凝るのも事実です。

歴史小説が身近なものになるには、
司馬遼太郎の登場を待たなければなりません。
『梟の城』で直木賞を受賞して以来、
『龍馬が行く』『国盗物語』『坂の上の雲』『世に棲む日々』など、
常に話題作を提供し、
歴史の中で生きる個人の可能性を描きました。

この他にも、山岡壮八の『徳川家康』や
大佛次郎の『天皇の世紀』など、
読んでおきたい歴史小説は目白押しです。
アカデミックな正史を読む堅苦しさがなく、
歴史の真実を理解できますから、
歴史小説の人気が衰えないのも頷けます。

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