« 経営意思は現場へ伝えられているか01 | トップページ | 経営意思は現場へ伝えられているか03 »

2009年11月 1日 (日)

経営意思は現場へ伝えられているか02

有名なトヨタ生産方式にしても、
創業者である豊田喜一郎の
「乾いた雑巾を絞り取る」という言葉を、
後に副社長まで務めた大野耐一が
真正面から受けとめ、
現場を巻き込みながら確立したものです。

そのプロセスには紆余曲折があり、
さまざまな反発も少なくありませんでした。
ひとりの従業員が複数の機械を
受け持つ方式に切り替えたとき、
無理だという現場からの声に大野は
「自転車と自動車のどちらに乗りたいか?」と尋ね、
自動車を運転するにはアクセルやブレーキ、
ハンドルなど同時に操作しなければならないと
諭したということです。

トヨタは常に理想を高く掲げながら、
社員の一人ひとりを巻き込み、
全員参加の経営で今日の地歩を築いています。
今でこそトヨタの無借金経営は賞賛されていますが、
バブル全盛期には
ビジネス・チャンスにチャレンジしないと批判され、
トヨタが守り続ける終身雇用は、
それを理由にして
ムーディズの格付けランクを下げさせています。
世間の風当たりも強いものでした。

トヨタの経営理念は創業精神を受け継ぎ、
まったくぶれていないから、
社員の一人ひとりも組織を信頼できるのです。
変わったのは世間のトヨタを見る目であり、
業績に驚いて真似ようとする他企業の動向です。

忘れてならないのはトヨタという企業が、
半世紀も前の労働争議を教訓として胸に刻み、
社員とのコミュニケーションを積み重ねながら、
個人と組織が共に成長し発展する
企業文化を耕してきたことです。
他の企業が学ばなければならないのは、
トヨタのシステムやプログラムではなく、
その歩み方です。

|

« 経営意思は現場へ伝えられているか01 | トップページ | 経営意思は現場へ伝えられているか03 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/99210/31580797

この記事へのトラックバック一覧です: 経営意思は現場へ伝えられているか02:

« 経営意思は現場へ伝えられているか01 | トップページ | 経営意思は現場へ伝えられているか03 »