« 2008年11月 | トップページ | 2009年1月 »

2008年12月31日 (水)

捨てる情報、拾う情報の見極め方02

こうした情報は、メディアを経由させるより、
インターネットなどでダイレクトに受信したほうが、
スピーディで的確な内容を得られます。
定期的にメールサービスを行っている機関も多いですから、
必要に応じて利用したほうが賢明です。
ビジネスに結びつかなくとも、
時代の流れを総括的に捉えるために有効な手段です。

その一方で、ベーシックな知識を蓄積することが肝心です。
さまざまなイノベーションは、
人間社会を豊かにするためのものですが、
ときとして技術革新の速さは
人間そのものを見失わせてしまいます。
それだけに、時代の変化の速度が増していくほど、
原点である人間に対する考察が、
繰り返し問い直されなければならないのです。

芸術や学問の領域から古典をクローズアップして、
人間という存在が求めているものを明らかにして、
確かめていくことです。
紀元前に孔子が説いた哲学や
プラトンが語った理想国家を、
21世紀に生きる私たちが理解できる背景には、
肉体という物理的限界を踏まえたうえで、
変わることのない人間の本質があるからです。

デジタル化された社会のベースは、
アナログで形成されています。
インターネットで情報を受発信するホームページでも、
肝心要のコンテンツは、
人間の指の間の温もりから生まれているのです。
意識だけが肉体から遊離するはずもありません。

まして価値観が多様化する時代には、
個々が戻るべき原点は、
クラシカルな基本原理にならざるを得ません。
誰に対しても説得力を持つからこそ、
古典は幾星霜に堪えて生き続けてきたのです。
最新情報を取捨選択するにも、
こうした知性が大きな力になります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月30日 (火)

捨てる情報、拾う情報の見極め方01

インターネットの普及に加え、
メディアが多極化することで、
情報量は飛躍的に増えていきます。
別の視点から捉えれば、
一つひとつの情報のインパクトが弱くなります。
ターゲットを絞り込もうとしても、
どの情報に着目すべきかわからなくなります。

基本になるのは、
中央官庁などが発信する規制や法令の情報です。
国会審議を経たものだけでなく、
研究会やオピニオン募集の
内容をチェックしておくと、
社会のパラダイムがどのように
形づくられるのか予測できます。
企業の対応が遅れないのです。

合法的な経営活動を展開するなら、
私たちは定められたルールに従うしかありません。
それは個人の立場でも同じです。
人間社会の中で生活を営む以上、
大多数の人は
ルールを逸脱しようとは考えていません。
合理的であるか否かの判断も含めて、
組織と個人の利害を検討する
土壌が提示されているのですから、
無視するわけにはいきません。

同じように、アカデミックな研究報告も、
時代の先端を予見するものとして、
きちんとフォローしておきたいところです。と
くに企業のシーズと密接に関わる分野は、
どこから発信される情報の
信頼度が高いのか確かめて、
定点観測を続けることが重要です。

国際市場を舞台にしている企業であれば、
総体的な情報にとどまらず、
ローカルな情報にも
アンテナを張っておかなければなりません。
この場合、事実や結果を拾い集めるだけでなく、
その背景にある
歴史や文化を理解することが大切です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月29日 (月)

ユーザーの24時間を丹念に拾い出す04

仕事に車を使っている人なら、
何よりも知りたいのは道路情報です。
ジャストタイムの渋滞情報だけでなく、
どこに新しい道路が通ったのか、
諸々の施設がつくられたことで
車の流れが変わったのか否か、
そうしたガイダンスを切実に求めています。

郊外に生まれたレストランや
アミューズメントの情報も、
車を使うモチベーションを刺激します。
アウトドア志向が強い人ほど、都
会から遠く離れた土地に
大自然を求めますから、
自動車のある生活に
価値観を見いだします。
それならば、インドア派には
どのようなメッセージが有効なのか、
切り口は無限に広がるのではないでしょうか。

このように考えますと、
自動車メーカーが
さまざまな企業との
パートナーシップを発揮すれば、
個人のライフスタイルに
影響を及ぼすコミュニティが築かれ、
経済を活性化させるという図式が成り立ちます。
自動車を販売するのは結果であり、
自動車のある生活を提唱することで、
個人が生き甲斐を感じるのを目的とすることです。

それだけに、
従来のような一方通行のメッセージ発信でなく、
個人の感性に基づいた
双方向のコミュニケーションが求められます。
企業のシーズに触れるユーザーの具体像を、
組織の一員としての視点ではなく、
生活者としての視点で捉えることです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月28日 (日)

ユーザーの24時間を丹念に拾い出す 03

こうしたプロセスを経て、
個人の意識は確実に
自立へ向かっていくでしょう。
一人ひとりが自分の頭で考え、
自分の責任で判断を下します。
そのときに、
個人の価値観と
企業カルチャーの共有領域が、
具体的な市場ニーズとして顕在化します。

個人の価値観との共有領域を広げることが、
企業カルチャーを浸透させることに繋がるのです。
そのためには、個人がどのような価値観を持ち、
どのような行動を起こすのか、
朝起きてから夜眠るまでを
想像することが求められます。

そのときのテーマになるのが
企業のシーズです。
食品メーカーであれば、食生活をベースにして、
心身の健康やリラクゼーションが射程に入ります。
パンのライバルはお米や麺類だけでなく、
ダイエットやエクササイズも含まれるということです。
ユーザーが何を選択して、何を消去するのか、
ライフスタイルに基づいて考えなければなりません。

たとえば、自動車メーカーや販売店であれば、
競合他社の動向を気にする以上に、
自動車のある生活をいかに
デザインするかが重要になります。
どのような目的でハンドルを握るのか、
その時間はどう位置付けられているのか、
想像力を働かせましょう。

休日のドライブを楽しみにしているなら、
高速道路のサービスエリアだけでなく、
街道沿いの道の駅や旅の駅を知りたいものです。
旅館やホテルを選ぶときも、
車が乗り入れられる道なのか、
初心者ほど気にかかるのは当然です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月27日 (土)

ユーザーの24時間を丹念に拾い出す02

過渡的現象としては、
個人生活の防御が優先されますから、
消費が抑制され、
利回りの良い
金融商品への関心が高くなります。
その一方で射幸心が強くなり、
公営ギャンブルや宝くじ、
ネットワーク・ビジネスなど、
一攫千金を夢見る人も増えるでしょう。

勤勉な日本人が消えてしまったのではなく、
努力の対象が霞んできたのです。
経済大国に猪突猛進する途中で
犠牲にしてきたものも、
具体的な社会問題として浮き彫りにされ、
一人ひとりが自信を失いかけているのも事実です。

長い間、組織と個人が一体になり、
組織の価値基準に従うことで
幸福を感じてきたのですから、
いきなり自立を迫られても、
とまどうのは当たり前です。
企業にしてみても、
昨日まで通用した方法論が、
夜が明けたとたんに
反故にされるようなものですから、
どのようにアプローチすべきか迷ってしまいます。

 ”癒しとやすらぎ”というパスワードが注目されたのも、
時代の流れと個人の対応のスピードに
ズレが生じているからです。
変化に振り落とされないために、
人々は刹那的なヒーリングにすがります。
崩れそうな態勢を瞬時に立て直そうと試みます。

ひと昔前なら居酒屋や赤ちょうちんで
解消していたストレスに、
個々人がそれぞれの方法で
対処しているのです。
それだけでも、
人々の意識に大きな変化が訪れていることを、
私たちは見逃してはなりません。
一人ひとりが自分の悩みを抱え込み始めています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月26日 (金)

ユーザーの24時間を丹念に拾い出す01

商品やサービスの機能と効用を引き出し、
ストラクチャーを再構築するのは、
何を売るのか、
つまり企業のシーズを特定する作業です。
次の段階で必要とされるのは、
誰に売るのか、
つまりシーズとニーズを
ミキシングする作業です。 

どのような商品でも、
必ずターゲットが特定されます。
その絞り込みが甘ければ商品は売れず、
具体的に把握できるほど
ヒット商品に成長する確率が高くなります。
企業のシーズをメッセージとして送信したときに、
受信感度の良いユーザーを
どれだけ鮮明にイメージできるのか、
それによって
プロモーションのプランニングが決まります。

これまでも、さまざまな手法を用いて、
企業はユーザーの具体像を
捕捉しようと努めてきました。
モチベーション・リサーチや
グループ・インタビュー、
流行を生み出している女子高生を
アドバイザーに迎える企業もありました。

しかし、こうした方法論では、
一過性の現象を捉えることはできても、
時代の底流を形づくる
本質に迫るのが難しくなっています。
社会全体のパラダイムが
大きく変わってきたことで、
人々の意識から連続性が失われ、
価値観の根拠になる座標軸を
どこに据えるべきか
わからなくなっているのが原因です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月25日 (木)

従来のストラクチャーを再構築する04

機能や効用に優れた商品を持ちながら、
経営理念を明らかにしなければ、
特定のブランドだけを切り売りし、
積み重ねてきた歴史を
終わらせるしかありません。
技術開発のノウハウや
パテントを競合他社に売り渡し、
経営活動の幕を閉じる企業は多いのです。

企業カルチャーの確立は、
あらゆる利害関係者との
コミュニケーションが前提になりますから、
そのプロセスで
マーチャンダイジングが展開されます。
組織の内外に定期的に企業メッセージを発信し、
双方向のコミュニケーションをとりながら、
商品やサービスの
ストラクチャーを捉え直すことが重要です。

新規事業に進出するときなど、
こうしたコミュニティがパイロットになり、
的確な事業計画を策定できます。
企業の持つシーズを、
市場のニーズとミキシングして、
最適なポジショニングを得ることが、
競争の激化する状況で
勝ち残るための戦略になります。

企業をユーザーや取引先から引き離さず、
総体的なサイクルの中に位置付けたとき、
商品やサービスのストラクチャーも
自ずから再構築され、
新しい価値体系として
革新されると考えたほうが、
これからの時代には安定した成長を
手に入れやすくなるでしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月24日 (水)

従来のストラクチャーを再構築する03

これからの時代には、ヒトゲノムが解析され、
バイオテクノロジーが急速な進化を遂げるでしょうが、
クローンや遺伝子組み換え食品など、
さまざまな立場から論点が争われることが予測され、
企業の研究開発は難しい局面を迎えています。

従来のように情報がバリアで守られていれば、
打開策の実行までに猶予を与えられますが、
インターネットで情報の受発信が
容易に行われるようになると、
投資したコストを回収できないまま、
研究開発の中断を余儀なくされざるを得ません。

だからといって、未知の領域に踏み込まなければ、
イノベーションを実現できないのも確かです。
こうしたさまざまな要素を予測して、
リスクマネジメントを行わなければ、
本当の意味で
ストラクチャーの再構築に迫れないでしょう。

商品やサービスのストラクチャーは、
組織全体のシステムの中で実現されます。
あるセクションから
画期的なコンバインが仮説として提示されても、
対応するセクションが検証しなかったり、
その方法を持ち得なければ、
単なる思いつきとして処理されます。

そうした側面からも、
企業カルチャーの確立が必要とされるのです。
組織全体が共有する価値観が、問
題解決の判断基準にならなければ、
企業は迷走するしかありません。
業績だけで評価されるなら、
企業のオリジナリティはまったく意味を持たず、
極めてシンプルな理論で
企業統合が推進されるだけです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月23日 (火)

従来のストラクチャーを再構築する02

たとえば、スーパーの店頭では
靴は靴売場、帽子は帽子売場、
洋服は洋服売場に陳列されます。
一部のDCブランドを除けば、
トータル・コーディネートは演出できません。
しかし、企業のホームページなら、
どのような組み合わせも自由自在です。

忘れてはならないのは、
環境保護と経済性のバランスです。
主力商品ほど素材や原料、
製造過程で使われる触媒など、
グローバルスタンダードで
定められた基準値をクリアしているか、
きめ細やかな神経を注がなければなりません。

冷蔵庫やクーラーに用いられたフロンは、
無味無臭で毒性も低く化学的に安定していることから、
幅広い用途に使われていました。
アメリカ・デュポン社のフレオンや、
日本のダイキン工業のダイフロンなどが
大きなシェアを占めていました。
ところが、
この便利なフロンがオゾン層を破壊するとして、
1987年の国際会議でモントリオール議定書が締結され、
10年間で生産および消費を半減しようと決まりました。
国際世論の後押しもあり、
1995年に全面的に使用を禁止されています。

ダイキン工業の場合には、代替フロンの開発に成功し、
スムーズな転換により地歩を築いていますが、
こうしたケースは少ないのです。
経営活動に壊滅的な打撃を受け、
倒産に追い込まれるケースも珍しくありません。 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月22日 (月)

従来のストラクチャーを再構築する01

個々のアイテムが蓄積され組み合わされると、
総体としてのストラクチャーが形づくられます。
一つひとつの商品やサービスが再評価されれば、
全体の構造も変わってくるのは当然です。
従来のマトリックスでは捉えきれなくなります。

そうは言っても、
主力商品やヒット商品を中心にした従来の構造を、
まったく白紙の状態に戻したら、
ビジネスが成り立たないのも確かです。
企業の経営活動の目的である利益の源泉を疑ったら、
コストと時間を費やして再構築する意味もなくなります。

むしろ主力商品をコアに置き、
どれだけのオプションを加えられるか
検討したほうが合理的です。
社会的に受け入れられている要因を分析し、
他のアイテムを取り込んでいく方法論です。
ライフサイクルを的確に判断し、
新商品への転換をスムーズに行えば、
ベースになる売上を確保するには最短路を歩めます。

その一方で、
企業カルチャーと時代のニーズをすり合わせ、
新たな価値体系をつくっておきましょう。
ひとつのアイテムを複合的に捉えても
何の支障も来しませんから、
従来の実績に捕らわれることなく
自由な発想で取り組むことが肝心です。

わかりやすく言えば、
実際に店頭で陳列するグルーピングと、
ホームページで紹介するグルーピングを、
まったく違う視点から展開するということです。
リアルマーケットでの展開は、
さまざまな取引先との関係もありますから、
一足飛びに革新的な試みはできませんが、
バーチャルマーケットであれば
大胆なチャレンジが可能です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月21日 (日)

商品やサービスの機能と効用を引き出す03

時代の流れと価値観を踏まえたうえで、
ストックを再評価することです。
売れない原因を徹底的に分析し、
商品やサービスの可能性を探りましょう。
デザインやカラーをリニュアルすれば、
受け入れられる商品もあるでしょう。
ネーミングひとつで
売れ筋が変わったケースも数多くあります。
ターゲットそのものを大胆に切り替える手もあります。

問い直してみなければならないのは、
企業が生み出した商品やサービスの機能と効用を、
どれだけ多くのスタッフが知っているかです。
企画開発の背景も理解できずに、
売上だけを求めてプロモーションを展開しても、
ユーザーや取引先を納得させられません。

そのうえで、あらゆる階層から意見を募り、
従来のポジションを崩すことが大切です。
食器を洗うのに使われていたタワシを、
足裏を刺激する健康器具として捉えるようなフレキシビリティが、
商品やサービスの潜在能力を最大限に引き出します。

これは、苛烈を極める流通業界でも、同じことが言えます。
百貨店がスーパーに追い抜かれ、
スーパーがコンビニに追い落とされた最大の原因は、
コミュニティスペースとしての価値を失ったからです。
販売価格や売場面積にこだわっているうちは、
コンビニに集まるユーザーを取り戻せないどころか、
インターネットに奪われてしまうでしょう。

どうして自分の店に、お客さまは足を運んでくれるのか? 
こうした問いに応えようとしなければ、
シャッターを降ろすしか道は残っていないのです。
陳列した商品の内容やロットも大切ですが、
小売業にとって一番の売り物は、店という場の空気です。
人が集まるような雰囲気が漂っていなければ、
閑古鳥が鳴く日は近いということです。

商品やサービスが売れないデータを、
機械的に処理しないことが肝心です。
せっかく生み出した命なのですから、
真正面から向かい合い、とことん見極めてください。
廃棄するという結論は、
それから下しても遅くはないのです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月20日 (土)

商品やサービスの機能と効用を引き出す 02

日帰り温泉が人気を集めているのに、
日本旅館は低迷を伝えられています。
一番のセールスポイントに注目されながら
宿泊客を伸ばせない要因は、
商品やサービスの
機能と効用を見誤っているからです。
従来の方法論に固執しているからです。

日帰り温泉の最大の魅力は
低価格に思われがちですが、
温泉そのものを楽しめるシンプルなシステムにあります。
食事をしたり、個室でくつろぎたければ、
オプションを選択することでニーズを満たせます。
その場合、意外と料金がかさむのも事実です。

それに比べると、旅館に泊まるのは面倒です。
価格帯により部屋の間取りから料理の内容まで
セッティングされていますから、
予算の中でニーズを満たすのは難しいのです。
部屋が狭くとも
美味しい料理を少しだけ食べたいとか、
食事は簡単に済ませても
良いが広い部屋でくつろぎたいとか、
そうしたカスタマイズには対応してくれないのです。

旅館を足場に数日間遊ぼうとしても、
基本的なメニューが揃っていません。
フロントにあるのは近隣の遊覧施設の割引券だけで、
自然と親しんだり散策するための
ガイダンスが見つからないのです。
宿泊客にお金を落とさせようとする観光地の目論見が、
リピーターになりたいという気持ちを減退させます。
温泉に入れば充分という話になるのです。

ひと昔前のように、
浪費を目的として観光地を訪れる人は減りました。
ほとんどのお客さまは、
癒しとやすらぎを求めて自然に抱かれたいのです。
素朴な食材でも、
心と身体をきれいにしてくれるなら、
喜んで舌鼓を打つでしょう。
温泉が求められているニーズの源泉を、
しっかりと見極めなければ、
追い風を活かせないということです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月19日 (金)

商品やサービスの機能と効用を引き出す01

ユーザーや取引先を説得する
企業カルチャーが確立されたら、
その視点から
商品やサービスの機能と効用を再検証することです。
ソニーのウォークマンが
テープレコーダーから録音機能を取り除き、
再生専用の機能を強化して発売されたのは
1979年のことでした。

発売当初は、
まったく期待されていない商品でしたが、
若い世代を中心に爆発的なヒットとなり、
企画開発がコロンブスの卵であることを
私たちに教えてくれました。
日本茶の人気が急上昇したのも、
機能と効用の再検証の結果です。
少し古い百科事典を調べてみると、
日本茶の成分として紹介されているのは、
カフェイン、ビタミンと、
旨味の主成分であるテアニンが代表的。
今なら誰でも知っているあるカテキンについては、
まったく触れていないのです。

ところが、私たちの身体に悪影響を及ぼす活性酸素や、
食中毒の原因になる病原性大腸菌O157が
注目されるようになると、
さまざまなメディアが
強い殺菌作用を持つカテキンを紹介し、
一躍日本茶がクローズアップされてきたのです。

皆さまもご承知のように、
日本茶は昔から日本人に親しまれてきた飲料です。
伝教大師最澄や弘法大師空海が
中国から持ち帰ったのが始まりとされ、
鎌倉時代に栄西が『喫茶養生記』を著して
一般に普及されたと言われています。
茶道の始祖である千利休や、
お茶と日本文化を語った岡倉天心の『茶の本』は、
名前くらいは耳にしていると思います。

戦後の食生活の変化に伴い、
若い人を中心に日本茶は飲まれなくなっていきました。
コーヒーや清涼飲料水が主流になり、
お茶であれば紅茶や中国茶が好まれたのです。
日本茶のイメージは、
お年寄りが縁側で楽しむものになりました。
そうした風潮を一新したのが、
カテキンに対する評価です。
健康にも良く、美容にも良く、
優れた成分をたくさん含んでいるとなれば、
日本茶に飛びつく気持ちはわかります。

重要なのは、
カテキンという成分が新たに加えられたものでなく、
元々日本茶に含まれていたということです。
このような捉え直しが行われるか否かで、
ライフサイクルがまったく違ってきます。
POSデータに従うだけでは、
こうした着眼発想は養われません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月18日 (木)

他社と差別化を図るオリジナリティの演出04

大企業であれば、
分社化や事業部制を推進し、
小回りの利くプロモーションを展開することです。
本社はインデックスの役割を果たし、
抽象的かつ包括的なイメージで
受けとめられますが、
そこから派生したプロジェクト機能が、
個々のユーザーの心をつかみます。

たとえばショッピングセンターであれば、
誰のためのエリアなのかを
大胆に切り分けることです。
老若男女すべてを取り込もうとするから、
近くに競合店が出現したとたんに
価格戦争に巻き込まれるのです。
金太郎飴のように同じ商品構成で闘ったら、
普通のお客さまであれば、
品数が豊富で店頭価格の低い店になびきます。

年代や男女差だけでなく、
価値観や文化による切り分けも有効です。
商品構成から独特の空気を感じさせたら、
同じタイプの人間が集まるようになり、
売上のベースが確保されます。
そこからどのように展開するのか、
おのずから明らかになっていくでしょう。

オリジナリティを演出するのは企業ですが、
オリジナリティを認知するのは
ユーザーや取引先ですから、
繰り返しメッセージを発信することが重要です。
インターネットにホームページを開くだけでなく、
フリーペーパーやPR誌の定期刊行
、イベントの企画運営など、
さまざまな手法を用いて
数多くメッセージを発信したほうが賢明です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月17日 (水)

他社と差別化を図るオリジナリティの演出03

世間を驚かす奇抜な発想やアイデアだけが、
オリジナリティと捉えられがちですが、
誠心誠意お客さまに尽くしたり、約
束を違えないような地道な努力は、
充分に企業のオリジナリティに繋がるものです。
大切なのは、そうした企業の特長を、
当事者としてどれだけ自覚しているかです。
周囲に伝わるように表現しているか否かです。

日本の企業は、商品やサービスをアピールしても、
経営活動に対しては多くを語りません。
見る人が見ればわかってくれると考えるのは、
高倉健が主演した任侠映画の影響でしょうか? 
口を開かなければ伝わらないのは
夫婦関係だけではありません。

競合他社との相違点を明らかにして、
企業の固有性を主張することが大切です。
それが魅力的であるか否かは
企業が決めるのではなく、
コミュニケーションをとる
ユーザーや取引先と割り切って、
重い口を開く習慣を身に付けるのが優先課題です。

こうしたことを踏まえたうえで、
オリジナリティを演出することです。
他者と差別化を図る特長を伝えるのですから、
企業の総体をきちんと整理して、
メリハリを付けなければメッセージは届きません。
ときにはデフォルメも必要です。

最も効果的なのは、
企業カルチャーをシンボライズすることです。
ターゲットを絞り込み、
ユーザーや取引先との一体感を強調すれば、
それぞれのライフスタイルの中で、
企業は固有な存在として
位置付けられるに違いありません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月16日 (火)

他社と差別化を図るオリジナリティの演出02

経営は学術的な理論ではないのですから、
継続的に利益を生み出せなければ
社会的にも認知されません。
だからといって、数字だけを追い求めていたら、
ユーザーや取引先とのコミュニケーションをとれません。
業績回復へのアプローチが難しくなります。

大切なのは、数字の背景に潜んでいる
企業への要望を直視することです。
問題点を解決するだけで済むテーマなのか、
抜本的な組織革新を迫られているテーマなのか、
そこを見誤ると再生の道は開かれません。

もうひとつの理由は、
オリジナリティに対する誤解です。
野球にたとえれば、
奪三振の多い先発完投型のピッチャーや、
打撃部門のトップ10に
名を連ねるバッターだけが、
オリジナリティを持ち合わせていると
考えてしまうのです。
犠牲バントの職人と
賞賛されている選手もいれば、
チャンスに必ずピンチランナーで
登場する選手もいます。
打撃はあまり振るわないが、
ピカイチの守備力で
アピールする選手もいます。
それぞれがプロとして
認められているからこそ、
球団も契約を更改して
来シーズンに期待をかけるのです。

企業でも同じことです。
国際舞台で多国籍企業と互角に闘える大企業や、
他の追随を許さない独自の技術を持っている企業に、
オリジナリティがあるとは限らないのです。
企業規模は小さくとも、プロフィールがわかる企業、
社会から必要とされている企業には、
固有な表情があり、
オリジナリティを発揮する土壌が耕されています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月15日 (月)

他社と差別化を図るオリジナリティの演出01

企業アイデンティティを掘り起こし、
企業カルチャーを確立していけば、
それぞれの企業のオリジナリティが
浮き彫りにされるはずですが、
そう簡単に企業の個性を伝えることはできないようです。

これには2つの理由があります。
ひとつには、経営活動を評価する指標が、
すべて数字で表されることにあります。
国際会計基準でも、そうした点ではまったく変わりません。
利益と費用の関係を明らかにして、
キャッシュフローの状態を報告するのは、
基本的に会計原則に基づいて算出された数字です。

まして、これから創業するのでなければ、
前年度までの実績を無視できません。
数字と数字を比較対照して、
修正すべきところを
問題点として抽出していけば、
全体像の捉え直しに至らないのは当然です。
ヘタに手を付ければ、
日常業務に支障を来します。

業績が悪化している場合には、
なおさら数字が重視されていきます。
不採算部門から撤退し、
余剰人員を整理し、
最終的にコストを圧縮することで
利益を生み出す企業体質に転換することが、
リストラクチャリングの
基本手法として用いられています。

数字による業績評価は重要であり、
一般法則として定着していますから、
こうした視点が柱になるのは当然です。
しかし一方では、
改善された数字を踏まえて
何を行うかが明らかにされなければ、
縮小再生産を繰り返し
マーケットを失う恐れもあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月14日 (日)

経営ビジョンがモチベーションを刺激する04

1970年代に
内橋克人氏が著した『匠の時代』は、
高度経済成長を先導した
技術者たちにスポットライトを当て、
読者からの好評を得てシリーズ化されました。
内橋氏には敬意を表しながらも、
本来は企業から発信されるべき
メッセージだったように思います。

物語とは企業の歴史であり、
織りなしてきた文化です。
ユーザーや取引先と交わした情であり、
厳しい風雪に堪えてきた強さです。
そうした企業プロフィールに惹きつけられ、
一人ひとりの社員が自覚的に行動を起こします。

新規事業に進出するにも、
経営ビジョンが
理解されているか否かは重要です。
マーケットを開発する
必然性を納得していなければ、
競合他社に対する戦闘意欲は薄れます。
利益の拡大を示唆しても、
社会的に認知される正当性を得られなければ、
周囲に胸を張って業務に邁進できないのです。
滅私奉公を促されても、シラケます。

経営ビジョンとは、
未来の視点から掲げられた
行動のシナリオです。
それが経営トップだけのものでなく、
組織全体に関わるものと周知徹底し、
取引先やユーザーの
幸福に繋がるものと説得することです。
誰にでもわかる言葉で経営ビジョンを書き直し、
組織の一人ひとりのバックボーンを形づくらねば、
勝ち残る戦略は策定できません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月13日 (土)

経営ビジョンがモチベーションを刺激する03

同じ家電メーカーでも、
ソニーや松下の企業カルチャーが浸透し、
日立や東芝は一流企業と認められながらも、
企業カルチャーが伝えられていないのは、
経営幹部の伝えようとする意欲が薄いからです。
ユーザーにとっては、
販売価格以外にサポートする理由が見つかりません。
膨大な知的財産を保有している企業だけに、
実にもったいない話です。

そうした意識は、ビジネス現場にも
影響を及ぼします。
資本や企業規模の大きさを除いたときに、
どこでモチベーションを
刺激されるのか明確にしておかなければ、
求心力が失われ、
マーケットでの競争力が衰退すると
考えたほうが良いでしょう。

経営ビジョンを策定するにも、
トランスレーションの技術は有効です。
国際経済の推移を冷静に分析し、
緻密な数字とロジックで
シミュレーションを展開し、
非の打ちどころがない
経営計画を公表しても、
関心を示すのは
経済人と一部の投資家だけです。

それは、なぜなのでしょうか? 
率直に言ってしまえば、
パブリックコメントに
体温が感じられないからです。
創業者の自叙伝だけでなく、
企業の商品開発の苦労談など、
物語をプロデュースすれば、
魅力的なコンテンツが提供できるのに、
そうした努力を怠っている企業が圧倒的に多く、
ユーザーや取引先に
企業の素晴らしさが伝わりません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月12日 (金)

経営ビジョンがモチベーションを刺激する 02

わかりやすく言えば、同じ百貨店業界でも、
三越には三越のやり方があり、
高島屋には高島屋のやり方があるということです。
つい最近までは、どこの業界でも、
経営幹部の同業他社への転職はタブー視されてきました。
欧米のように業務マニュアルが先行するのではなく、
企業の固有性が前面に打ち出されていたのです。

暗黙知と形式知は相互に変換を繰り返し、
次の段階へ進んでいくものと考えられていますが、
未分化なまま放置されている企業が多いのが実情です。

ほとんどの企業では、創業理念を金科玉条のものとして、
暗黙知の状態で押し切ろうとするか、
時代の潮流として表れた形式知を導入し、
組織革新をトップダウンで推進しています。
いずれの場合にも、
組織の末端にまで理解を求めるのは難しいでしょう。

必要なのは、組織内部で培われた暗黙知を、
外部にも通用する形式知へ変換し、
再び暗黙知の視点から検証を加えることです。
過去の成功法則を切り捨てず、
源泉となる思考のパラダイムを抽出し、
新入社員にも伝わる共通言語に置き換えることです。

そのためには、企業ヒストリーの分析が不可欠です。
どの時点で企業が社会から認知されたのか、
どういったコンセプトが時代に受け入れられたのか、
当事者としてきちんと知らなければなりません。
新規事業からの撤退など
失敗からも目を逸らさないことです。

そのうえで、
サクセス・ストーリーをプロデュースすることです。
こうした作業は社内で行うよりも、
公正な第三者の協力を得たほうが、
説得力のあるシナリオを描けます。
企業に関わる一人ひとりにプライドを持たせるには、
企業の歩んできた足跡を明らかにして、
社会に貢献した事実を自覚させるのが
一番の早道です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月11日 (木)

経営ビジョンがモチベーションを刺激する01

企業カルチャーは外部に向けられるだけでなく、
内部における求心力も強くしていきます。
具体的には経営ビジョンという形になり、
現場で働く一人ひとりの判断基準や
行動規範として活かされます。
取引先に対しても、
企業の姿勢が鮮明に示されます。

これからの時代に組織は
ますます流動的なものになり、
アウトソーシングの導入も
急速に推進されるでしょう。
従来のように、
阿吽の呼吸で理解される社風などの暗黙知から、
誰の目にも明らかな形式知が
重視されるようになります。

暗黙知と形式知というコンセプトは、
1950年代から60年代にかけて、
マンチェスター大学やオックスフォード大学で
研究を重ねたマイケル・ボラニーが
提唱したものです。

要約すれば、
暗黙知は経験に基づいた
個人的な知識であり、
他者に伝えるのが難しい
混沌たるものを含み、
一方の形式知は
論理的な法則にのっとった知識であり、
文書や図表によって共有化できるものです。
暗黙知はアナログ、
形式知はデジタルとも捉えられます。

日本型経営が欧米の企業にとって脅威であり、
謎であった原因は、
日本企業の思考パラダイムに
暗黙知が大きく関わっていたからだと言われます。
組織の内部で使われる
言葉やものの見方考え方が自己完結し、
外部からは不透明な状態で推移する構造が、
日本企業の競争力の源泉と考えられていたのです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月10日 (水)

企業カルチャーとトランスレーション04

トランスレーションとは、
直訳すれば
翻訳という意味になります。
要するに、
外国語を母国語に変換する作業です。

企業の持つ独自の文化や価値が、
ユーザーにとってどのような価値を持つのか、
わかりやすく置き換えて
伝える技術と考えれば良いでしょう。

簡単なことのようですが、
実は、これがなかなかできないのです。
田中真紀子氏が
外務大臣として訪中したときに、
他国の外交官と会話を交わしている途中で、
「ごますり」という単語を
思い出せなかったことがあります。
すかさずお付きの外務官僚が、
「グリンド、セサミシーズ」と助け船を出しました。
文字通り、すり鉢などでゴマをすることです。

田中外相が欲しかったのは、
直訳すれば「へつらう」という意味の
「フラッター」という言葉であり、
俗語で用いられている
「尻にキスをする」などという表現は、
公式の場では間違っても使えないものです。
実際には、知ったかぶりをして
「アス・キッシャー」と訳したり、
真意を理解できず
「グリンド、セサミシーズ」と訳す人が多いのです。

企業とユーザーの関係であれば、
専門用語や業界用語を使われても、
何を伝えたいのかわかりません。
企業の立場から重要性を説得されても、
ホンネではピンと来ないのです。
最先端の科学用語を
日常用語に置き換えるだけでも、
企業をサポートする人は
確実に増えるはずですが、
両者を結ぶ回路は
残念ながら閉ざされたままです。

こうした状況で、
ユーザーに親和感を抱かせるには、
企業カルチャーをメッセージに転換し、
プロフィールを知ってもらうことが重要と、
気づいている企業は少ないのです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月 9日 (火)

企業カルチャーとトランスレーション03

工業製品やサービスであれば、
購買前の体験は難しくなります。
自動車であれば試乗できますし、
住宅であれば見学会に参加できますが、
購買を決意できるほどの
臨場感を得ることはなかなかできません。
どうしても
知識や情報に頼らざるを得ませんから、
失敗を許されない商品ほど
知名度の高い企業が有利になります。

知名度が高いということは、
露出の機会が多いというだけでなく、
ユーザーにとって
親和力があるということです。
企業だけを取引先にしているケースであれば、
テレビCMや新聞広告に頼らず、
一般の人には知られていなくても、
業界の中で認知され
評価されていれば充分なのです。
つまり、ターゲットになる相手に
知られることが肝心です。

たとえば再春館製薬やポーら化粧品などを見ると、
企業カルチャーと、
そこから発信される企業メッセージは、
誰が顧客なのかを充分にわきまえて、
固有のコミュニティを形づくっています。
単に化粧品を販売するのではなく、
ターゲットになる女性の生活に
企業カルチャーを浸透させ、
自主的な関わりを促せるよう
上手に演出しています。

企業カルチャーを確立するだけでは、
マーケットへメッセージは伝わりません。
企業が伝えたい情報を、
ユーザーや取引先が理解できるように転換し、
相手の言葉で
メッセージを再構築することが必要です。
それがトランスレーションの技術です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月 8日 (月)

企業カルチャーとトランスレーション02

企業のバリューチェーンについても、
単純に、従来モデルから
スマイルモデルに推移して、
サムライモデルに発展していくと
いうものではありません。
それぞれの業種業態や企業の価値基準によって、
どこにウエイトを置けば
最適化を図れるのか異なります。

実際の作業プロセスでは、
社内の力関係や思惑によって、
きれいに割り切れないことが多いでしょうが、
強い体質の組織へ革新するためには、
シンプルにものごとを捉えたほうが
間違いありません。
基本はどこにあるのか、
忘れないことが大切です。

重要なのは、企業がユーザーから
好感をもって迎えられることです。
数多い競合商品の中から選定し、
購買を決断する背景にあるのは、
機能や効用や販売価格だけではありません。
何よりも、
商品やサービスを提供する企業への信頼が、
安心感と結びつくことで、
自らのライフスタイルに取り込むことを、
ユーザーに決断させます。

その理由として挙げられるのは、
商品の機能や効用を体験できないことです。

食品や飲料であれば、キャンペーンや
試食コーナーで確かめることもできますが、
それはそれで
人体に直接影響を及ぼす商品ですから、
知名度の低い企業の商品に手を出すのは、
ユーザーにとっては勇気の要ることなのです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月 7日 (日)

企業カルチャーとトランスレーション01

企業が企業であることの
本質が明らかになれば、
そこからすべてのシステムと
事業プロセスを捉え直せます。
企業アイデンティティを基点にして、
独自の価値観と思考回路で形づくられた体系が、
企業カルチャーとして確立されます。

別の視点から捉えれば、
企業カルチャーから逸脱した
システムや事業プロセスは、
企業の内外に対して
説得力を持たないということです。

企業カルチャーとは、
創業から現在までのプロセスで
企業が生み出してきた
価値の総体ですから、
違和感のある部分については
徹底的に追及しなければ、
企業の存続を脅かす問題に
発展する可能性が高いのです。

そのうえで、自社の企業カルチャーが、
グローバルスタンダードに適応しているか
検証することです。
たとえ現状で繁栄していても、
国際ルールに従わない方法論を用いていたら、
世界を舞台にして闘うゲームに参加できません。
人々の意識も変わっていきますから、
国内でも通用しない論理になりかねないのです。

だからといって、
難しく考えることはありません。
資本主義経済の原点に立ち戻り、
フラットな視点から捉えれば、
企画開発力、技術力、営業力を
コアとした組織が再編成されます。
財務や人事の総合的なプロデュースは、
コアの内容によって自ずから決まります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月 6日 (土)

企業アイデンティティの掘り起こし04

その結果、
営業畑の優秀な人材は組織を離れ、
企業の競争力は失われていきます。

その逆もまた真なりです。

創業の精神は
企業アイデンティティに強く影響を及ぼしますが、
決してイコールで結ばれるものではありません。
技術で他に優越しようとスタートしても、
繁栄までのプロセスで
バランスは微妙に変動します。

このようなギャップも含め、
事実を事実として捉えることが、
企業の現在位置を明らかにします。
ギャップが大きければ、
どちらにシフトすれば
有利に展開するのかを考え、
社会的なコンセンサスを得たうえで、
大胆な革新を決断するチャンスです。

間違えてならないのは、
企業アイデンティティは
固定的な概念ではなく、
経営トップの
個人的な思いでもないということです。
創業から現在までに
企業に関わった人々の総意が、
シンボリックに結実した概念と
考えれば良いでしょう。

企業と個人がフレキシブルに結ばれる時代に、
企業アイデンティティは
お互いに共有化できる目的であり、
それぞれのモチベーションを刺激します。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月 5日 (金)

企業アイデンティティの掘り起こし03

言葉を換えれば、
社会的な企業の存在理由を明らかにし、
広く賛同を得ることがCIの目的です。
自社が世の中にどう位置付けられているか、
ユーザーや取引先から何を期待されているのか、
それを知らなければ
アイデンティティを確かめられません。

ひと頃流行したCIでは、
そうした検証をブラインドにして、
ビジュアルなイメージだけを
表そうとしていました。
水面下では
きちんとした作業を行っていたのでしょうが、
伝えるべき情報を伝えられなかったことから、
真意を理解する人は少なかったのです。

それと同時に、
CIが内部評価だけで断行されたことにより、
サプライヤーロジックから
免れることができませんでした。
企業アイデンティティを掘り下げるプロセスで、
利害関係者すべての意見を参考にすることが重要です。

そうなると、内部からの企業の位置付けと
外部からのものとギャップが生まれます。
組織の内側だけ捉えても、
階層ごとに企業観は微妙に違います。
このギャップに気づき、真正面から対処することが、
企業アイデンティティを検証する第一歩です。

これは、企業にとって”強み”の確認でもあります。
自社が描いたプロフィールと
ユーザーや取引先が描いたプロフィールの差は、
そのまま評価基準の見直しに繋がります。
よくあることですが、
経営トップは技術力に自信を持っているのに対して、
外部の評価では営業力に優れている場合、
往々にして
営業畑で頑張っている人は冷遇されがちです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月 4日 (木)

企業アイデンティティの掘り起こし 02

創業者の自叙伝や古い社内報を紐解き、
自らの企業が歩みだした根源を知ることです。
その最初のメッセージが受け入れられたからこそ、
企業は今も経営活動を展開していると考え、
社会が企業を必要としている
存在理由にこだわることです。

日本経済を代表する
リーディングカンパニーの多くは、
創業者の顔を鮮明に描きだしています。
経営トップは代わろうとも、
スピリッツが脈々と受け継がれていることを表明し、
ユーザーや取引先から信用を得ています。

企業の中核能力とされるコアコンピタンスも、
煎じ詰めればアイデンティティということになります。
技術スキルや事業プロセスは、
競合他社との相関で反故同然になり、
ビジネスモデルやパテントも、
イノベーションにより履歴のひとつに過ぎなくなります。

しかし、経営活動の価値基準となるアイデンティティは、
状況の変化によって揺らぐものではありません。
利益を先に求めるのではなく、
事業構想を鮮明に描きだし、
幅広い層からの支持と共感を得ることが肝心です。

企業アイデンティティと申しますと、
どうしてもコーポレート・アイデンティティ、
つまりCIを連想します。
従来のCIのコンセプトは、デザイナーから提唱され、
メディアを上手に活用した広告代理店が
イニシアティブを握り、発展してきました。

社名変更やロゴのデザイン統一が、
CIのシンボリックな表象ですが、
元々CIが目指したのは、
経営ビジョンから営業活動まで
企業アイデンティティを形づくるものを
コミュニケーションの視点から統合し、
同一の表現でメッセージを発信することです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月 3日 (水)

企業アイデンティティの掘り起こし01

企業が中心になってコミュニティを築くには、
企業そのものがどのような存在なのかを
明らかにしなければなりません。
ここで言うコミュニティとは、
企業の本社や工場によって
地域住民の生活が成り立つ、
いわゆる企業城下町のことではありません。

企業がどこから来て、
どこへ向かおうとしているのか、
企業が企業であるための
アイデンティティを問われます。
アイデンティティとは、
さまざまな変化や差異に抗して、
連続性、統一性、不変性、独自性を
保ち続けることです。

1950年代にアメリカの精神分析学者エリクソンが、
社会心理学の分野で用いたことから、
広く人間学のキーワードとして定着しています。
エリクソンによれば、アイデンティティとは
自己確立であり、
固有な生き方や価値観の獲得です。

したがって、
企業のアイデンティティを問い直すには、
創業の理念までたどらざるを得ません。
どの企業にも、
最初の徒手空拳の状態で向かうべき目的地があり、
熱い情熱と信念に突き動かされ、
成功へのプロセスを確かなものにしていったからです。

創業期の事業と現在の事業が異なっていても、
そこには必ず連続性があるはずです。
他の事業へ転換するときに、
経営トップの判断根拠に創業の精神が失われていれば、
間違いなく世の中から淘汰されていたでしょう。
社会が企業を生き残らせるのは、
企業そのものが欲するからでなく、
広く社会が企業の存続を求めているからです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月 2日 (火)

カスタマイズのニーズと限界を見極めよ04

そのときに、
的確なサポートを与えられる企業が勝ち残り、
固有な企業カルチャーを浸透させていくのです。
企業規模や売場面積で商品やサービスが選ばれず、
メッセージのクオリティで
企業に対する信頼感が生まれるのが、
これからの時代の基本法則です。

家電メーカーとしては後発のソニーが、
ユーザーから熱い支持を受けているのは、
エンターテーメントをバックボーンとする
ソニーの企業カルチャーが、
多くのユーザーのライフスタイルと
合致しているからです。
誰もソニーという企業に
冷蔵庫や洗濯機の開発を求めず、
ソニーも自らの
社会的使命を充分に承知しています。

それだからこそ、
アイボというロボット犬を
インターネットで告知したとたん、
25万円という高額商品にも関わらず、
瞬時に完売してしまったのです。
他の一流企業なら、
申し込む前に問い合わせが殺到したでしょう。
もちろんソニーはソニーであり、
他の企業が追従する必要はありません。
しかし、自社の企業カルチャーを確立し、
ユーザーをサポーターに転換できれば、
勝ち残る戦略が立てやすくなると思いませんか? 
これから先は、その具体策を考えていきましょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年12月 1日 (月)

カスタマイズのニーズと限界を見極めよ03

合理的であるということは、辻褄が合うことです。
自動車メーカーが突然アイスクリームを発売するのは、
ユーザーには理解できないのです。
アイスクリームを発売するなら、
自動車メーカーとして培った技術や事業プロセスが、
なぜアイスクリームに結びついたかを
説明しなければなりません。
そのプロセスで、合理的か否か判断されます。

わかりやすいということは、
専門用語や業界用語を排除して、
日常使われている言葉で
コミュニケーションをとることです。
ホームページで
商品の成分を公表する企業は多いのですが、
その意図が伝わらないのは
成分の名前そのものに馴染みがなく、
伝えようとする情報の中身がわからないからです。

企業が中心になってコミュニティを築くには、
ユーザーの日常感覚に降りていくことを求められます。
企業のポジションを動かそうとせず、
ユーザーの自助努力を
要求している企業が多くないでしょうか。

インターネットの急速な普及は、
個人の意識が自立する兆候です。
実際にBtoC市場に関わる人は、
2005年でも全体の数%に過ぎないとされていますが、
残りの大多数の人が、
従来通りの思考パラダイムに
閉ざされていると考えたら大間違いです。
好む好まざるに関わらず、
企業と個人はフラットな立場に置かれ、
個人は自立して、自分の頭で考え、
自分の足で歩かねばなりません。
手に入れられる範囲の情報から、
最善と思われる選択を決断し、
紆余曲折を経ながら価値観を確立していきます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年11月 | トップページ | 2009年1月 »