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2008年4月 7日 (月)

善い人と言われて喜んでいる場合じゃない 02

お客さまにすれば迷惑な話。
どこの馬の骨ともつかない私と会うより、
今まで付き合っている営業マンに時間を費やすほうが、
はるかに効率的な仕事を進められる。
梃子でも動かない私を持て余し、強い口調で責め立てるが、
店頭では大きな声も出せない。

仕方なく時間を割いても、お客さまに私の話を聞く気はない。
適当なところで打ち切ろうとするが、私はなおも執拗に食い下がる。
どこに問題があるのか、断る理由を具体的に質問し、
お客さまを本気で怒らせて、嵐のような罵詈雑言を浴びることになる。

グーの音も出ないほど叩き潰して、お客さまはすっかり安心していると、
そのうちに私がひょっこり顔を出す。懲りないヤツと睨みつけると、
「先日、教えていただいたことを、私なりに考えてみました。
会社や商品が少しでもお役に立つように、○○さんのご意見をお聞かせください」

何事もなかったように話すから始末が悪い。
追い返しても、追い返しても、それでもメゲずに寄ってくると、
ほとんどのお客さまはあきらめる。
苦笑いを浮かべ、困ったヤツと思いながら、
少しは骨のある営業マンと感じてくれる。

営業マンがしつこくアプローチを繰り返せば、
お客さまの感情を害するのは明らか。
賢い営業マンはそうした雰囲気を察し、
お客さまの目の色が変わらないうちに退却する。

しかし私はバカだから、嫌われてもしつこく迫る。

そうすると不思議なことに、しつこさが熱意へ転換されて受けとめられる。
断っても、断っても、それでも訪ねてくる営業マンに興味が湧いてくる。
一度くらい真剣に話を聞こうと、耳を澄まして私の言葉を待つようになる。

私にとっての正念場は、まさにこのとき。

通り一遍の内容なら、お客さまはガッカリする。
今までの発想を突き崩すくらいインパクトがなければ、私の記憶を胸に刻めない。
明日になれば、すっかり忘れてしまう。

それがイヤなら、お客さまにどうしてほしいのか、
お客さまの利益にどう繋がるのか、
きちんとシナリオを練っておくことだ。
小さな会社の営業マンが、正々堂々と意見を述べ、
なおかつ新鮮に感じるからこそ、
お客さまは初めて目を見張る。

お客さまの心に衝撃を与えない営業マンは、
非難もされないが影響も及ぼさない。
お客さまが思い描いている秩序の中で、静かに順番を待っているしかない。

ビジネスの世界で、善い人になる必要はない。
自分がここにいると主張しなければ、誰にも存在を気づかれない。
目の前を人々が通り過ぎ、幽霊のように消えていく。

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