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2007年10月15日 (月)

表現の自由って

 草薙厚子氏の著書『僕はパパを殺すことに決めた』に、奈良県田原本で放火殺人事件を起こした供述調書が掲載されたが、この情報を漏洩したとして、精神鑑定を行った崎濱盛三医師が逮捕された。表現の自由か、それとも人権侵害か、提起された問題は大きい。

 私が強く感じるのは、草薙氏の稚拙さ。供述調書を閲覧する機会があれば、自分のテーマを掘り下げるのに読み込むのはわかる。しかしそれをそのまま引用するのは芸がない。崎濱医師にすれば騙された後味の悪さが残る。これからの取材にも壁になりそう。

 出版に限らずメディアの論理は、国民大衆が求めるものを提供する。言葉を換えれば銭になるかならないか。10万部売れたら著者も版元も潤うが、10万人は国民の0.1%にも満たない。センセーショナルな手法で振り向かせても、真剣に考えさせることに繋がるか。

 企業に対する社会的責任を強く問う時代に、メディアだけが表現の自由という錦の御旗を振りかざし、旧態依然の論法に捕らわれ、商業主義を剥き出しにしてる印象を受ける。供述調書をそのまま掲載しなければ、伝えたい内容を伝えられなかったかを問われる。

 言って良いこと、悪いこと。守らなければならないこと。そこを切り分けなきゃ無法地帯。目的のために手段は浄化されるという発想は、テロリストが主張する正義の論法とまったく同じ。ルールが間違っているなら、ルールを変える努力が最優先されるべき。

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