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2007年9月 8日 (土)

二天一流

 『五輪書』を著した宮本武蔵は、天下の剣聖として名高い。戦国の末期に生まれ、数多くの果たし合いに勝ち続け、名を知られるようになったが、大名になる夢は果たせず、細川家の食客として晩年を過ごす。宮本武蔵の生涯は本望だったのか。

 吉川英治氏の小説が読まれ、ストイックで純情な求道者のイメージが定着してるけど、『五輪書』を読むとかなりしたたか、勝つためには手段を選ばず、目的のために細心の注意を払う。経営者が愛読する理由もわかるような気がする。勝つための指南書。

 斬り結ぶのが侍なら、宮本武蔵を無視できない。しかし泰平の世に必要なのは、剣によって相手を倒すことではない。このジレンマが宮本武蔵を苦しめた。剣の道は武士にさえ求められない。敬して遠ざけられ、書画をたしなむ日々に命の炎を燃やす。

 宮本武蔵が『五輪書』を書き遺したのも、人に読ませるためでなく、自らの人生の軌跡を刻み込みたかったから。武蔵だけの真実が行間に滲み出て、四百年の時代を経て私たちの心に伝わる。世の流れに関わらず、信じるわが道を極める他に道はない。

 どう生きるか、歩き始める前なら道は無限に広がっているが、歩き進むに連れて少しずつ狭くなる。五十年も生きると、他の道を選ぶのが恐くなる。そのときに大胆に切り換えられるか、伊能忠敬のような人生もある。先人の教えをどう読むかはそれぞれ。

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