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2007年8月 3日 (金)

とうもろこし

 生まれた家には小さな畑があって、夏には玉蜀黍が実ってた。いつの間にか両親は手放したようで、幼い頃の思い出は一つひとつ消えていく。どのような理由なのか、私が稼いだものじゃないから、一度も尋ねたことはないが、薄々は気づいていて当たり前。

 大学まで卒業させてもらったのだから、それ以上は親に甘えられないと考えてたけど、自分が親になってみると、いつまで経ってもわが子は可愛い。頼られると無理しても、手を差し延べたくなる。だからといって老いた親に、今さら何もねだれないけどね。

 昼に素麺を食べた後に、茹で上がった玉蜀黍。素麺の薬味は茗荷に生姜、長葱、さらに妻が育てた朝摘みの胡瓜。一つひとつをゆっくりと味わう。それぞれの命が、私の中で再び生きてくる。有り難いことだな、たくさんの人が私を活かしてくれている。

 こうした感覚は、若いときにはわからなかった。お金を払えば何でも食べられるし、手に入れたら自分のもの、平然と口にして疑おうともしなかった。肉でも野菜でも、工場で自動的に生産されてるかのように、感謝することがなかったのは若気の至りかな。

 目に見えない人や知らなかった人が、どこかで自分と繋がってるのを、リアルに受けとめられるようになってから、それほど歳月を重ねてないのは事実。そうした意味では、ようやく大人になりかけてる。自分の力を過信しないのも、つい最近のことみたい。

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