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2007年3月18日 (日)

ひとつの見識

 歯磨き粉や歯ブラシで、ライオンに次いで国内シェア2位のサンスターが、経営陣と従業員による自社株買収(MEBO)の結果、公開買い付け(TOB)に議決権ベースで52.63%、2,845万株の応募があったと発表。創業家の保有株を併せると議決権ベースで83.58%。上場基準を超えてしまう。

 言うまでもないことだが、上場廃止は規定の方針。短期的な業績や株主の意向に捕らわれず、長期的に安定した経営を目指す。将来はスイスに本社機能を移し、海外事業を強化したいという。前年度3月期の連結売上高は8.3%増の691億円、優良企業だからこそ決断できた。

 市場に株を公開している以上、誰に買われても仕方ないし、経営陣が保有できる限度も定められ、業績が良ければマネーゲームのターゲット。悪くとも資産が豊かであれば狙われる。それを防ぐためには自らを肥大化させ、マネーゲームに参加する資格を持とうと考えるから、企業の統廃合が日常茶飯事。

 しかし大きくなればなるほど、企業内統治に問題が生じるのも事実。肝心要の企業文化がおざなりにされ、経済原則だけが前面に出ると、諸々の不祥事が起こるのも検証されてる。何が一番大事なのか、優先順位が曖昧になれば、社会的な存在意義も問い直される。大きいことが必ずしもベストでない。

 市場から資金を調達しなくとも、本業で利益を稼げるなら、身の丈にあった成長と発展を望める。信用を築けているなら、他の手段でも原資をつくれる。思い切った決断だけど、他の企業にとっても有効な選択肢。これからどう舵を取るのか、経営者は立ち止まって自らを振り返ったほうが良い。

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