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2007年3月31日 (土)

誰が教えるの

 政府の教育再生会議は学校再生分科会で、道徳を教科に格上げするように提言する方針を決めた。すでに道徳の時間は実施されてるが、熱心に指導されてないと現状認識。教科にすることでテキストが定まり、道徳心や規範意識の根底を伝えられるという発想。教科であれば評価も想定される。

 再生会議を担当する山谷首相補佐官は、道徳は心の在り方なので、評価できるかどうかは論議が必要と慎重。伊吹文部科学大臣も、中央教育審議会などでの検討が大事として、価値観や思いを評定するのが妥当かを問い直す。羮に懲りて膾を吹く、道徳教育の根幹が揺らいでいく。

 子どもに社会のルールを教えようとするなら、親が規範を示すのが一番。親が本を読んでれば、子どもは真似して本を開く。親が年長者を敬えば、子どももお年寄りを大切にする。親が横断歩道を利用せず道を横切れば、子どもは危ないと思わずに車にはねられる。当たり前のことじゃないか。

 道徳の時間で何を教えるのか、今どき二宮金次郎か、ワシントンと桜の木なのか。皆が仲良く、弱い人を助けましょう。そう教えられても、高齢者が病院から追い立てられるのを見て、教えられたことが正しいと素直に納得できるとは思わない。教科にしたところで、要領の良い子が高得点になるだけ。

 どのような人物像が日本人の理想なのか、そのアウトラインを示さないと、善し悪しを判断することもできない。それを最初に学ぶのは、子どもでなく大人たち。自らの生き方が、日本の理想に対して恥じないか。それよりも前に、理想的日本人像を掲げられるのか否か。

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2007年3月30日 (金)

良いんでないの

 朝日新聞の調査によると、国の情報公開制度を営利目的に使うケースが7割。データを公開するまでが大変と、官公庁の職員の声を紹介してるが、民間企業の活動が効率化するなら、日本全体の生産性に寄与してるわけだし、それはそれで充分に役割を果たしてるのではないか。

 05年度に国への情報公開請求は7万8千件を超え、そのうち5万2千件が営利目的という。国税庁管轄が約4万件、その96%が高額納税者リスト。信用会社の販売資料や不動産の営業が目的と見てるけど、正直に言って数多くあるデータのひとつに過ぎず、これを金科玉条にしたらモノは売れない。

 国土交通省への請求の6割は、公共事業の契約に関する情報。これを参考にして公共事業へ取り組めば、不正は起こりにくくなるのが道理。企業にこそ活用してほしい情報ではないか。厚生労働省では7割近くが医薬品の承認申請の情報だが、これも根本的な趣旨は同じように思う。

 この他にも社会保険庁には、保健医療機関の認可を受けた病院一覧。文部科学省には私立学校の財務状況などの資料。企業利益に役立つなら、そこで税収を増やせるし、回り回って国民にプラスをもたらす。公務員が努力するだけの値打ちはある。どんな情報でも、利用されなきゃ意味がない。

 情報公開を請求するのが組織でも個人でも、その先に何らかの目的があるのは当たり前。単なる知的好奇心で、お金や時間を費やさない。コストとのバランスがとれないと考えるなら、利用目的に応じて課金するなど、採算ベースを踏まえた創意工夫を図ること。本末転倒しないのが肝心。

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2007年3月29日 (木)

今年の新入社員

 社会経済生産性本部は、07年度の新入社員のタイプをディトレーダー型と命名。自己主張が強く、常に良い待遇や仕事を求めて転職を目論むので、一日に多くの株取引で、きめ細かく利益を確定する個人投資家になぞらえる。景気回復を背景に、今年は売り手市場だったからなのか。

 最近の新入社員の傾向は、就職した会社への愛社精神が乏しく、自己実現への思いは強いという。現場で実際に新入社員たちと接して、正直な印象をまとめているのだろうが、ちょっと違うような気がする。マズローを引用するまでもなく、自己実現への思いはいつの時代でも一緒。

 それが愛社精神と結びつかないのは、企業が終身雇用を廃止したから。骨を埋める環境が整っていなければ、いつ解雇を言い渡されても困らないように、キャリアを積もうと考えるのは当たり前。一人前に育てるのに、どれだけお金と時間を費やすのか、新入社員はきちんと見ている。

 若いときの苦労を買ってでもするのは、それがいつか報われるものと信じるから。先々の面倒を見てもらえないなら、その都度に精算するのが当たり前。組織が使い捨てにしないで、本気で人を育てようとすれば、対応だって違ってくる。組織の魅力を伝える努力を怠っていないだろうか。

 恐いのは新入社員を鋳型にはめ込み、転職することを前提に考えたら、社員教育に力を注がず自助努力を求めること。そうすればますます人の心は離れ、企業を支えてきた文化も衰える。おもしろおかしく形容するより、本気で人を育てようとする覚悟が、今こそ経営幹部には必要不可欠。

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2007年3月27日 (火)

能登沖地震

 能登半島の輪島市沖合を震源として、M6.9の大規模な地震が起こる。能登半島一帯は言うに及ばず北陸全体に影響を及ぼす。余震は今なお続いており、道路が寸断されて陸の孤島へ追い詰められた地域も多い。政府は対策本部を立ち上げ、自衛隊も派遣されているが、復旧は簡単ではなさそう。

 石川県では観測史上最大規模の地震であり、科学者の予測でも極めて確率の低い地域だった。それでも突然災害に見舞われる。日本列島どこで暮らしていても、いきなり天変地異に襲われるということ。それなりに準備を整えていても、実際に地震が起こったら、対応できるかどうかは疑問。

 こうした報道に接すると、自然の前で人間はいかに無力なのか、思い知らされる。日本は台風の通り道だけど、予測を超えた猛威には為す術もない。まして地震となれば、命を救うだけで精一杯。しかしそこで暮らす人たちは、それからの後始末が大変。なかなか元の生活には戻れないのが実情。

 輪島市では28日から、災害ボランティアを受け入れるというが、宿泊施設や駐車スペースが足りないので、金沢市内と現地を往復するシャトルバスを準備。当面は日帰り可能な石川県周辺の人に限定する。どちらにしても求められるのは相互扶助、助けられる人が助けることが大事。

 海底のプレートや火山地帯、日本列島の置かれた環境は、人智で覆せるものではない。それなら上手に自然と共生し、国民一人ひとりがどこに暮らしていても、お互いがお互いを補い合うこと。そこを基点にして社会を捉え直さないと、安心して暮らせる世の中にならない気がする。

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2007年3月26日 (月)

近頃の若いのは

 厚生労働省の調査では、日本の自殺者は03年から3年連続で3万人を超えてる。イジメを苦にした小学生から、生活に疲れた高齢者まで、報道されるたびに悲しい思いに襲われるし、公的機関を中心にさまざまな形で自殺防止のキャンペーンも張られてるが、自殺者を振り向かせられないのが現実。

 そうした状況をわかったうえで、できることをやりたいと、30歳の青年が行動を起こした。渋谷で商品開発などを手掛けるコンサルタント会社経営のオキタリュウイチ氏。オキタ氏は女子高生を対象に「ヘブンズパスポート」という企画を仕掛け、15万冊を売り上げた実績を残してる。

 これは、善いことをするたびにシールを貼り、100枚集まると願い事が叶うとするもの。口コミで広まったわけだが、大上段にモラルを説くより実効性が高い。善いとわかっていても、やりなさいと言われたら、背を向けたくなるのが人情だから、オキタ氏は優れたプランナーとわかる。

 自殺の原因は人間関係での疎外や金銭問題、その解決方法を紹介したチラシを5万枚印刷して、30日の午前中から渋谷の街頭などで配布。それを読んだ人がコピーして手渡したり、新しいアイデアを寄せたり、内容を充実させて月に1度はチラシを配布し、草の根的にメッセージを伝えていく。

 大切なのは一歩を踏み出すことで、結果を恐れてはならない。大人たちが身を以て示すべきを、若い人が肩に力も入れず動き始める。大学生なども巻き込んで、すでに種は蒔かれている。冷ややかに見守らず、若い人の背中を追って、私たち大人もできることをやろう。まずは問い合わせることから。

info@posi-media.net

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2007年3月25日 (日)

対岸の火事じゃない

 経営再建中の西武HDは、子会社のプリンスホテルなどが年度内に売却を目指してきたリゾート施設40カ所のうち、12カ所を廃業すると発表。売却が決まった28カ所は11億円の損失になってるが、それでもキャッシュフローは改善されるから、西武本体としてはプラスの結果なのだろう。

 廃業が決まったのは、ほとんどがスキー場。今年は暖冬の影響もあったけど、それ以上にバブル期ほどスキー場に足を運ばない。ゴルフ場は売れたようだが、こちらも競争は厳しく、クローズも少なくないように聞いてる。地方自治体の箱物や社会保険庁のグリーンピアなども脳裏に浮かぶ。

 06年末の国の借金は832兆2631億円、国民1人当たり651万円という。それで驚いていられないのは、地方自治体の借金が167兆円あること。遊べる施設を準備して、全国的に告知すれば、人が集まる時代は終わった。山河を掘り起こし、廃墟を遺して、莫大な借金だけが肩に重くのしかかる。

 歳出の見直しは当たり前として、それだけでは問題を解決できない。どうすれば人が集まり、経済を活性化できるのか、それぞれの地域に根ざして、持ち味を捉え直すこと。その土地で働く楽しさ、暮らす喜びの源泉を、徹底的に絞り込むこと。そのうえで良さを全国へアピールしなきゃ。

 東京を軸として考えず、故郷の歴史と文化に目を向け、自然と共生する意識を育む。日本人がどのように生きてきたのか、もう一度向かい合わないと、借金を返すどころの話じゃなく、日本そのものが消えてしまいかねない。過去を振り返るのは、未来を築くためと、腹を据えなきゃならない。

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2007年3月24日 (土)

訪問販売の難しさ

 国民生活センターが全国の既婚女性3千人を対象に、訪問倍に対する調査を実施して1,800人から回答を得る。それによると過去1年間に訪問販売の勧誘を受けたのは77%、帰ってもらうのに苦労したのが32%、怒鳴られたり暴言を吐かれたのが5%、断れずに契約したのが5%。

 その結果、57%が訪問販売の原則禁止を求め、依頼に応じて訪問すべきと考えてる。共働きで不在の家庭も多いから、面談できると粘りたくなる心情もわかるが、自分で自分の首を絞めてる営業マンが多すぎる。場の空気を温める前にムリヤリ商談へ突き進めば、コミュニケーションは成り立たない。

 それでなくとも納得して契約しても、後になって家族からの反対を受ければ、翌日にはクーリングオフされるのが訪問販売。お客さまが心の底から感謝して、よくぞ訪問してくれたと思わせなきゃ、営業マンの目的は達せられないし、会社にとっても利益をもたらさない。当たり前の話じゃないか。

 下手な鉄砲も数打ちゃ当たる、そんな時代はとうの昔に幕を下ろしてる。地域へ攻め込む前に戦略を立て、撒き餌を準備しとかないと、強行突破しか策を選べない。訪問販売はface to face、きめ細かさが持ち味なのに、粗雑な言動では認知されるわけがない。基本から勉強し直さなきゃダメ。

 インターネットが普及して、大規模店舗の数も増え、お客さまはいつでもどこでも、自由に何でも買えると勘違い。そうではないと気づかせて、新しい価値を発見させるのに、今のシナリオで間に合うのか。営業マン一人ひとりを教え育ててから送り出さないと、会社の屋台骨も揺らいでしまう。

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2007年3月23日 (金)

新卒採用増の意図

 朝日新聞社が大手企業100社を対象に、来春の新卒者採用計画を調査。それによると増やすのは41社、前年並みが37社、未定が15社、減らすのは僅か7社、今春の新卒採用者が増えてるから、全体の傾向としては高止まり。団塊世代の大量定年もあるが、やはり好景気が背中を押してる。

 そうは言っても働く側は、単純に喜んでもいられない。別の調査で今国会での法案提出を見送られたホワイトカラー・エグゼンプション(WE)について、44%の大手企業が将来の導入に向けて前向きな姿勢。消極的な企業はわずか11%で、これからの働き方として必要不可欠と考えるのが大勢。

 就職後3年未満で辞める若者が増えてることもあるが、企業の側でも甘やかすつもりは毛頭なく、戦力として機能する人材が淘汰されていくという発想。キャリアに応じた成果を求めるのは、当たり前と言えば当たり前だけど、そこへ至るプロセスをどう教えるかが本当の課題。そこには誰も触れない。

 一方で定年を迎える団塊の世代には、長いセカンドライフが待ってる。年金の受給年齢の問題などもあるが、できることなら働ける限りは働きたい。それも自分が望む形で、自分のペースで。でも、そこへどう行けば良いのか、適切に導いてくれる人がいない。時間ばかりが過ぎていきかねない。

 どうやらこれからの時代は、どこで働くにしても、自分のスタイルを築き上げるのが大事。人はそのままで熟成するのでなく、教えられることで初めて育つ。個人でも組織でも、その重要性に気づけば、間違いなくアドバンテージを取れる。自分を成長させる志だけが未来を切り開く。

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2007年3月22日 (木)

全学連が座り込み

 60年安保闘争に参加した全学連の元闘士ら50人が、国民投票法案の廃案を訴え国会前で座り込み。杖を片手の人もいたというが、皆が70歳前後だから仕方ない。参加者のひとりは「運動を高揚させていけなかった過去に悔いがある」と語ったらしい。正直に言って、今さら何をと思ってしまう。

 私が高校生の頃に70年安保、東大安田講堂への放水や浅間山荘事件など、革命は時代の潮流のように見えた。その一方で三島由紀夫が自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自殺、熱にうなされるように社会と思想を問い続け、いかに生きねばならないかを真剣に考えていた。私の髪は肩まで伸びていた。

 ところが大学生になると、全共闘はいささか浮いた形になり、数年後輩になると本も読まない。革命を語った先輩たちは、いそいそとスーツに着替えて就職活動、大手企業の内定を得意げに報告する。状況が変わっても組織の一員の感覚は同じ、全体の繁栄のために個人の幸福は後回しにする

 そのパラダイムを捉え直さなきゃ、パフォーマンスは三文芝居。組織を継続させるためなら、大量解雇もやむを得ないという発想。日本の国際的地位を高めるには、自主憲法を制定するべきという思考。カテゴリーとしては一括り。自分たちがどう生きてきたか、総括するのが先じゃないのか。

 先輩に対し厳しいことを言うようだが、国会前で過去の栄光に酔う同窓会。改憲の動きが強まる時代と嘆いてるらしいが、そこへ導いてきたのはあなた方の世代。マルクスなのか行動科学なのかは違うにしても、欧米へのキャッチアップを唯一の方法として、自分の頭で考えてこなかったのは一緒。

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2007年3月21日 (水)

清話会セミナー特別優待ご案内

 清話会は1938年創立、一貫して日本の中堅企業の成長と発展に寄与してきた。とりわけ定例セミナーは8,700回を超え、各界を代表する蒼々たる諸先輩が登壇する。その末席に名を連ねたいと思うのは、講師と呼ばれる立場の誰もが思うこと。

 このたび縁あって、清話会の4月定例セミナーに登壇。本来なら会員中心のセミナーだが、講師からの紹介という形で一般の方も参加できることになった。しかも講師紹介なら50%off、事前に氏名をメールで知らせてくれたら、受付で名刺を差し出せばわかるようにしてくれる。私の講演をできるだけ多くの人に聞いてもらいたいとの配慮。

 テーマは組織内のリーダー育成だから、経営者およびマネージャーが対象になる。将来に起業を志し、人を動かそうと考える人にも絶好のチャンス。90分の講演の後には懇親会も準備されているから、私と膝を突き合わせて肉声で語り合える。

一般参加4,800円 → 特別優待2,400円

特別優待申込先 → shiro@b-planner.co.jp

プログラム
テーマ  社内リーダーはどうすれば育つか

日時   4月18日(水)18:00〜19:30
 終了後に「Cafeビバ!フレスカ」にて希望者による懇親会を準備。参加費は実費です。

会場   水道橋・東京学院2階教室 JR水道橋駅、徒歩1分 旧清話会ビル裏
     千代田区三崎町3-6-15 TEL 03-3261-0017

 テーマに興味がある人、私の顔を見たい人、面倒でも上記のメールへ申し込んでください。

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2007年3月20日 (火)

事務所開き

 4月の統一地方選を前に、各候補が事務所開き。やはり注目されるのは東京都知事選。日本の首都であり、最大の人口を抱え、象徴的な印象を与える。現職の石原慎太郎氏に対し、前宮城県知事の浅野史郎氏、世界的建築家の黒川紀章氏、前足立区長の吉田万三氏が挑む。他にも数人が出馬表明。

 先日TV番組で4人が揃ったが、れぞれが大人の態度で振る舞っていたが、その中で浮いていたのは黒川氏。感性の鋭さは際立っていたが、肝心要の議論が噛み合わない。人の言葉に耳を傾けず、自分の主張を優先するのは、芸術家だから仕方ないのかもしれないが、政治家には向いていないのでは。

 吉田氏は福祉重視を唱えるが、踏み込みは鈍いような気がした。メガロポリス東京の絵図を描くには全体像が見えない。浅野氏は推されて出馬したけれど、東京に対するビジョンが固まらず、一番バランス感覚が良かったのは石原氏。まだ序盤だから、イメージを超えた話じゃないけれど。

 テーマになった五輪誘致についても、出席者全員が可能性が薄いと認識。北京で開催されたすぐ後にアジアは難しいと、わかったうえで机上の空論を展開しているのか。石原氏がインフラ整備と結びつけて、さらに都民のモチベーションを刺激すると発言してたのが、最も現実的に聞こえた。

 公私混同を批判されているが、石原氏の理屈にも聞くべきところはある。何と言っても東京の今を考えると、きちんと実績を示してきたのは事実。高齢といえど考え方は若いし、これを突き崩すには挑戦者たちが、よほど腹を括らなければ難しそう。都民はどのような決断を下すのか。

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2007年3月19日 (月)

贖罪の行方

 95年3月20日、地下鉄サリン事件で12人が死に、5,500人以上が被害を受ける。首謀者の松本智津夫被告は未だ獄中で生き延び、後遺症に苦しむ人が数多いことを考えると、理不尽さを拭いきれない。松本被告を教祖とするオウム真理教は、アーレフと改称しながら存続し、教義を守ろうとしてる。

 長らくアーレフの代表を務めてた上祐史浩氏が脱退を宣言し、松本被告と訣別した新団体の設立を準備してるが、それが社会的にどのような意味を帯び影響を及ぼすのか。サリン事件の被害者への賠償責任を負うというが、どれほどのことができるのか。まったく予測も立たない。

 上祐氏がオウム真理教設立以来の幹部であり、諸々の反社会的事件に手を染めていないにしても、行動を共にして承認してたのは紛れもない事実。上祐氏の言葉に説得され、殺人に赴いた信者がいるかもしれない。一連の事件の被害者に対して加害者の立場を、十字架として背負い続ける。

 その一方で葛藤を経た贖罪への意思を、素直に認めたいところもある。人は皆弱い生き物だから、悩んでいるときに強烈な個性に出会うと、誰だって押し流される可能性を秘めてる。蛸壺のような精神状態へ陥れば、常識的な判断が機能しなくなり、奈落の底へ転落していくのかもしれない。

 上祐氏が問われるのは、地下鉄サリン事件や松本サリン事件の被害者に、どのように向き合うのか。罵倒を浴びせられても、献花に赴くだけの気持ちがあるのか。正直に言って上祐氏の存在は、迷走する時代の象徴、ヒステリックで矮小な私たちの心象風景。他人事ではないような気がする。

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2007年3月18日 (日)

ひとつの見識

 歯磨き粉や歯ブラシで、ライオンに次いで国内シェア2位のサンスターが、経営陣と従業員による自社株買収(MEBO)の結果、公開買い付け(TOB)に議決権ベースで52.63%、2,845万株の応募があったと発表。創業家の保有株を併せると議決権ベースで83.58%。上場基準を超えてしまう。

 言うまでもないことだが、上場廃止は規定の方針。短期的な業績や株主の意向に捕らわれず、長期的に安定した経営を目指す。将来はスイスに本社機能を移し、海外事業を強化したいという。前年度3月期の連結売上高は8.3%増の691億円、優良企業だからこそ決断できた。

 市場に株を公開している以上、誰に買われても仕方ないし、経営陣が保有できる限度も定められ、業績が良ければマネーゲームのターゲット。悪くとも資産が豊かであれば狙われる。それを防ぐためには自らを肥大化させ、マネーゲームに参加する資格を持とうと考えるから、企業の統廃合が日常茶飯事。

 しかし大きくなればなるほど、企業内統治に問題が生じるのも事実。肝心要の企業文化がおざなりにされ、経済原則だけが前面に出ると、諸々の不祥事が起こるのも検証されてる。何が一番大事なのか、優先順位が曖昧になれば、社会的な存在意義も問い直される。大きいことが必ずしもベストでない。

 市場から資金を調達しなくとも、本業で利益を稼げるなら、身の丈にあった成長と発展を望める。信用を築けているなら、他の手段でも原資をつくれる。思い切った決断だけど、他の企業にとっても有効な選択肢。これからどう舵を取るのか、経営者は立ち止まって自らを振り返ったほうが良い。

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2007年3月17日 (土)

何が裁かれたのか

 ライブドアの前社長、堀江貴文氏に対して、東京地裁は証券取引法違反で2年6ヶ月の実刑判決。執行猶予は認められず、検察庁に身柄を拘束される。すでに再保釈は申請されてるが、東京地裁が決定権を持ち、再保釈された場合でも検察が抗告すると、今度は高裁が判断することになる。

 弁護側は上告し、最高裁まで審議されると予測されるから、結審までのプロセスを考えれば第一ラウンド終了。これまでに明らかになったことでも、堀江氏が会計ルールに疎く、違法性を認識していたとは思えないから、問われているのは代表取締役としての責任。事件を主導してはいない。

 それでも塀の中に閉じこめようとするのは、堀江氏の活動が社会に悪影響を及ぼしたと判断されたから。それが社会全般なのか、それとも既得権者の権益なのか、その辺りの判断は微妙。一方で規制緩和とグローバルスタンダードを推し進め、一方でモラルの遵守を強要してるのか。

 堀江氏に罪はないとは思わないが、エスケープゴートの印象を拭えない。堀江氏を初めとする経営幹部の逮捕、そして上場廃止という流れの中で、ひとつのベクトルは断ち切られた。それが日本経済にプラスかマイナスか、意見が分かれるところのような気がする。議論は継続されるのだろうか。

 堀江氏の最大の罪は、代表取締役としての自覚の欠如。それ以上でも、それ以下でもない。過去の判例はわからないけど、社会的糾弾はすでに受けてる。意欲も才能もある人だから、反省すべきを反省して、世の中に役立つよう再チャレンジしてほしい。潰すだけが解決じゃない。

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2007年3月16日 (金)

武士の情け!?

 国会を空転させる松岡農林水産大臣の答弁、追求する側も水の問題じゃないとわかっていながら、枝葉末節をほじくり返し、松岡大臣も外堀の辺りでかわせると考えてる。1本5千円の水を飲もうと、水道水を飲もうと、そんなことは問題じゃない。要は、不透明な金をどう扱うのか。

 こうした議論になると必ず出てくるのは、政治にはお金がかかるという常套句。確かに地方議会議員でも、選挙に出るには徒手空拳というわけにいかない。供託金を捻出できないと、どれだけ高邁な理想を掲げても、名乗りを挙げられないのが現状のシステム。実際の経費は莫大なものになる。

 見事に当選を果たしたら、投資したお金を回収したいのが人情。次の選挙にも出たいから、そのために種を蒔き水をやらなきゃ。細々とした付き合いや飲食費、それらは内々に処理したい。自民だろうが民主だろうが社民だろうが、置かれた状況は同じだから、武士は相身互いということになる。

 いっそ選挙の経費を税金で賄い、候補者が同じ条件で活動し、当否を問うたほうがスッキリする。議員の待遇および報告義務は、立法機関以外で決定。その内容は公開を義務づける。国民に明らかにできない政治活動を禁止し、機密活動は行政の機関で行えば良い。政治家はスーパーマンじゃない。

 投票する側にすれば、選挙は一過性のお祭り。その後に退屈な日常が待ってる。ところが議員先生にすれば、通過儀礼をクリアして全権を委任されたと勘違い。そのズレを修正しなきゃ、困るのは政治家でなく国民。任期の途中でも信頼を壊したら、国民の権利で辞めさせられないものか。

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2007年3月15日 (木)

営業マンフォーラムのご案内

 第14回営業マンフォーラムを次のように開催します。

 4月21日(土)13時30分〜16時30分

 BIZ新宿 新宿区立産業会館商談室(定員15名)

 東京都新宿区西新宿6−8−2

 電話 03-3344-3011

 参加費 3,000円

 講師 島田士郎

 テーマ「営業センスを磨く」
     〜営業力を高めるパスワード〜

 会場の都合がありますので、参加くださる方は、私宛のメールでご連絡いただければ幸いです。よろしくお願いします。

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2007年3月14日 (水)

責任は問われず

 政府は、社会保険庁の廃止・解体法案を閣議決定。今国会に提出し、10年1月を目途に社会保険庁を廃止する。年金制度の運営責任や特別会計の管理は厚生労働省。保険料徴収や給付および年金記録管理などの業務全般は新設される日本年金機構。その実務の多くを民間へ委託するという。

 保険料の徴収も強化され、悪質な保険料滞納者について、厚生労働省が強制徴収の権限を国税庁長官に委任。滞納者は差し押さえなど、具体的な対応を迫られる。国民の不公平感を払拭するには、やむを得ない措置だろう。この法案に基づいて年金新組織改革推進会議と呼ばれる第三者機関もスタート。

 社会保険庁の職員は一度退職し、職員採用を審査する第三者機関を経て、勤務実績が悪く、厚生労働省も含めた他省庁へも転任できない場合は、本人の意思に関わらず退職させる分限免職も実施。絵図面を見る限り、民間委託の必要性に疑問は残るが、透明度は高まった印象。

 しかし社会保険庁が浪費した原資も半端じゃなく、その影響が受給開始年齢や受給額に及んでるのも明白な事実。国全体の責任なら元に戻すのが筋であり、それができなければ責任者を処罰し、損害補償を求めるのは当たり前。盗人に追い銭では、政治に対する国民の不審を増長させる。

 現行法で無理ならば、そのための立法を実現するのが国会。自分たちに都合の良いようにルールを決めて、治外法権と嘯いてるから、国民は政党を信じられない。とりわけ多数派の自民党と公明党が、国民の側に立ってくれないと、そのツケは一人ひとりの国民に回ってくる。

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2007年3月13日 (火)

疑わしきは罰せず

 東京証券取引所は、不正決算で管理ポストに移されていた日興コーディアルグループについて、上場の維持を決定した。これを受けて大阪および名古屋の証券取引所でも同じ決定。不正会計が引き金で上場廃止となったカネボウや西武鉄道と比べ、企業全体で不正に関与した確証を得られなかったから。

 結論を先に言ってしまえば、社会制裁としての上場廃止には賛成できない。カネボウや西武鉄道にしても、経営陣が総入れ替えし、再スタートを切る決意を示すなら、大多数を占める社員のために、チャンスを与えるべき。その企業を支持するか否かは、市場が決めれば済むことじゃないか。

 当たり前の話だが、会社は法人であって、具体的な個人ではない。たとえ企業ぐるみに見えても、経営トップの決断に逆らえないのが組織の論理。その一方で築き上げた有形無形の資産価値は、紛れもなく存在している。社会に貢献できる基盤は整ってるなら、後はそれをどう活かすかの問題。

 言い古された言葉だけど、組織は人である。人が変われば組織も変わる。事業目的そのものが反社会的なら論外だが、そうでなければ可能性を評価したほうが良い。利益を生み出す資質があるなら、今までのプロセスを捉え直して、社会の中で活かせるように指導するのが最善。

 坊主憎ければ袈裟まで憎い。その気持ちはわからなくはないけど、冷静に考えれば、今まで日本経済に貢献してきたプラスの側面も、かなりあったのじゃないか。これは、不二家なども同じこと。悪いことは糺さなきゃいけないが、感情的なバッシングだけじゃ、元も子もなくしてしまう

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2007年3月12日 (月)

責任と権利

 年間4千時間を超える長時間労働で鬱状態になり解雇、総合建設コンサルタント会社に勤めてた30歳の男性が、損害賠償や未払い賃金など1,300万円の支払を会社に求める訴訟を起こすという。長時間労働をさせたことそのものを違法行為として、企業責任を問い賠償を求める珍しいケース。

 どのくらい働いてたのか、年間4千時間で計算すると、毎週日曜日は休んだうえで、毎日13時間ということになる。朝の9時に出社して、夜の10時に退社するなら、私の若い頃と比べて楽なもの。ましてコンサルタント会社なら、問われるのは定量でなく、質としてのアウトプット。

 この会社の指導教育や社員管理はわからないから、迂闊なことは口にできないが、入社した後から適性がないとわかるケースは少なくない。標準的な社員が8時間で達成する業務で、13時間を要していたと仮定したら、その責任は組織にあるのか個人にあるのか、判断は微妙なところ。

 02年12月頃から体調を崩し、03年4月からは自宅療養と復職を繰り返し、05年12月に解雇されたというから、会社の側では随分と長期に渡って辛抱してきた。自律性を求められる職種と考えれば、戦力にならない人材を抱え込むのは難しい。休職期間の給与を減ずるのも適正な処置だろう。

 当たり前の話だが、どんな仕事に就くにしても、自分の都合に合わせられない。能力も高めなければならないし、体調も含めた自己管理も必要。歌手になりたい人が、プロダクションと契約しても、歌手になれると約束されるわけじゃない。権利を主張するなら、責任を果たすのが前提。

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2007年3月11日 (日)

伝える難しさ

 全日本テレビ番組製作社連盟(ATP)は、加盟する番組制作会社88社を対象に、捏造問題を受けての緊急アンケートを実施。12問の自由記述式で62社が回答。『あるある〜』に孫請けとして関わった制作会社は、1本当たりの制作費は860万円で、10年間で半減したと明らかにしてる。

 制作費そのものが高いのか安いのか、私たち素人に判断できないが、バラエティ番組など無駄なお金を掛けすぎてるのは事実。ぽっと出の芸人がベンツを乗り回したり、需要があると言えばそれまでだけど、お金の感覚がちょっと普通じゃないような気がする。その辺りも考えるところじゃないの。

 それより問題なのは、結論が先にあること。とりわけテレビというメディアは、わかりやすさが身上だから、番組のエンディングには落としどころが必要になる。ドラマやバラエティでは計算できるが、報道や情報番組では不測の事態も予測できるのに、それじゃ番組が成り立たないのも本当のところ。

 そこで責任を回避するため、コメンティターなる役割が登場。テレビ局の意見じゃ問題を生じるが、個人の意見として伝えるならOK。クロシロをハッキリさせる人ほど、コメンティターとして人気がある。言ってしまえば視聴者が望む結論へ、どうしても導かなきゃならない構図。

 こうしたミスリードのパラダイムを、根本的に問い直さないと、視聴者が満足する結論が先に決められる。それが世論として定着すると、社会そのものがミスリードされる。悪循環を断ち切るのは、視聴者一人ひとりの意識。自ら好んで踊らされてることに気づかなきゃ。

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2007年3月10日 (土)

そりゃそうだ

 05年に個人が株式売却などで稼いだ所得として確定申告したのは2兆6千億円、このうち48%を占める1兆3千億円弱を稼ぎだしたのが2,133人、申告者数の僅か0.7%というから驚きだ。さらに総所得が100億円を超えたのは7人で、1人当たり286億円の売却益を得てる。

 申告者数は31万4千人ほどだが、このうちのおよそ1割、3万2千人は総所得200万円以下、売却益の平均も約80万円。株を研究し、それで食べていこうとしてるけど、現実は甘くないという数字。一方で資産がある人には、さらにお金が寄ってくる。少し考えれば、当たり前の話とわかる。

 それでも政府及び与党は、株の売却利益に対する税率を、さらに1年間延長すると決定。本来の20%を徴集すれば、一般国民の負担なく2億6千万円の増収なのに、理解に苦しむ面妖な話。富裕層を喜ばせるだけでなく、射幸心を煽って勤労意欲を削いで、額に汗して働く尊さを見失わせてる。

 株式市場が重要なのは、企業経営のサポートの役割。広く社会から資金を集め、さらに社会に貢献する事業を推進するため。表象的な株価の変動で、投機家たちをマネーゲームへ走らせるためではない。ゲームである最大の根拠は、種銭の多い人が勝つから。貧乏人のチャンスは極めて少ない。

 公営ギャンブルより罪深いと思うのは、ディトレーダーは娯楽と考えてないから。確かに株で儲けて資産家になる確率は皆無ではないし、実際に成功してる人もいるのだろう。でも、ほとんどの人は振り回され、人生設計を狂わされる人もいる。少なくとも優遇税率を適用することじゃない。

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2007年3月 9日 (金)

結婚できない

 厚生労働省の調査で、非正規社員の男性は正社員の男性と比べ、4割しか結婚できない。既婚者の女性で子どもがいるのは、非正規社員は正社員の5割。少子化対策を実効性のあるものにするには、雇用関係を捉え直さねばならないと、改めて浮き彫りにされた。生活が安定しないと家庭は営めない。

 02年10月末時点で20〜34歳の男女を対象に、毎年同じ人を追跡調査したというから、かなり確率の高い情報で回答者も1万9千人。1回目の調査で独身だった男性のうち、正社員は15%、非正規社員は6%、無職は4%が結婚。女性には大きな格差は表れなかったという。

 ところが結婚した後では、出産した女性は正社員で33%、非正規社員で16%、育児休暇も取れず雇用も不安定なら、夫婦共働きはできても子どもは育てられない。そんな声が聞こえてくるような気がする。人件費を削り続けたら、少子化は解決できず、産業も先細りになるという構図。

 たとえ結婚して、子どもができても、生活が安定しなければ、破局を招く確率は高まる。日本人は穏やかな農耕民族で、競争を望んでる人ばかりじゃない。今のままの政策を続けるなら、アメリカのように多民族国家へ生まれ変わり、日本人であることのこだわりを捨てるしかないような気がする。

 どうして小さな島国で、皆が仲良く暮らせないのかな。成功してる人は、それじゃ足りないのかな。日本に赤ちゃんがたくさん産まれて、慎ましくても笑顔の絶えない家族が増えて、それを幸せと思わないのだろうか。お金だけを求めていたら、日本は日本でなくなってしまうかもしれない。

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2007年3月 8日 (木)

硝子張りにして

 政府は自治体の財政破綻を防ぐために、地方公共団体財政健全化法案をまとめた。財政指標が一定の基準を超えて悪化した場合に、財政健全化計画の策定と外部監査を義務づける。各自治体は実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率を、地方議会に報告し公表する。

 実際に自治体が財政破綻を来せば、国や都道府県が援助せねばならず、税金を投入するのだから、そうならないように手を打つのは当たり前。本当のことを言えば、国に対しても同じシステムを採り入れて、議員や官僚のお手盛りを根絶やしにするべき。お金がないなら、贅沢を謹みなさい。

 そんな動きを知ってか知らずか、青森県では、県職員が同行し丸抱えで欧州視察。昨年の秋には9人が参加してた。これは六ヶ所村の核燃料サイクル施設に対する県民の不安を払拭する目的で、県内の各種団体の幹部らを招待する。財源は電源開発促進対策特別会計、つまり国の予算からの支出。

 クリーンなエネルギーとして原子力は必要であり、その処理を青森県に負わせてるのだから、住民の理解を得るために予算を費やすのに異論はない。問題は視察後の報告が、どのように果たされたのか。県内のメディアを通じて県民全体に認知されなきゃ、物見遊山と同列に扱われてしまう。

 欧州の核施設を訪問する合間に、名所旧跡へ立ち寄ったとしても、そんなことに目くじらを立てる必要はない。大事なのはそこから学んだことを、いかにフィードバックさせるのか。国家予算を費やしてるのなら、青森県でなく日本全土に知らしめ、原子力と上手に付き合う知恵を分け与えること。

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2007年3月 7日 (水)

ホームレス

 大阪の淀川河川敷で、少年のグループがホームレスを襲撃。同じような事件が愛知県でもあった。一方で大阪市は世界陸上の準備のために、ホームレスを公園から退去させたのも少し前。そう言えば愛知県でも万博の際、ホームレスに退去を命じてる。国際交流の舞台では、臭いものに蓋をする。

 社会的弱者をターゲットに、狼藉を尽くすのはモラルの低下。自分の欲望を満たすためには、弱い者を標的にするのが手っ取り早い。そんな風潮がはびこってる。勝てば官軍、プロセスは問わない。大人の論理が蔓延し、子どもや若者の心が荒んでいく。そろそろ皆が気づかないと大変なことになる。

 そうは言ってもホームレスの言い分も、かなりワガママなものなのも事実。公的機関が宿舎も斡旋して、職業教育も受けさせようというのに、窮屈だからと拒むのは自由の履き違え。公園にしろ河川敷にしろ、ホームレスの私有地ではない。勝手に占拠するのは明らかにルール違反、迷惑する人もいる。

 それぞれの人生には、それぞれのドラマがある。なりたくてホームレスになったわけじゃない。そこまで追い込んだ世間にも、言いたいことは山ほどあるだろう。だけど人の世で生きていくには、渋々でも掟に従うのは鉄則。人里離れた山中でも、天衣無縫には生きられない。どこにでも柵はある。

 誰だって今のポジションに、心から納得してるわけじゃない。どこかで折り合いをつけて、今日の糧を得るために堪えてる。ホームレスが責められるのは、競争に負けたからでなく、社会的責任を負おうとしないから。皆が共有できる場所を不法に占拠するのは、誰であれ許されることじゃない。

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2007年3月 6日 (火)

大英断かな

 カジュアル衣料のユニクロが、6千人のパートと契約社員のうち5千人を、来月から2年を掛けて正社員へ切り換える。現在の正社員数が2,100人というから、コペルニクス的大転換。処遇は年収で10%以上アップ、ユニクロの人件費負担は10億円以上増えるとのこと。

 アパレル業界では出店競争が激しく、人材確保を急ぐ背景もあるが、人件費を切り詰めようとする経営者が多い中で、流石に柳井正氏は時代の流れの先を読んでる。商品知識や接客の態度など、店頭での人材の質を向上させなきゃ、売れるモノも売れなくなるとわかってる。

 賃金のこともあるけど、自分がどう位置付けられてるか、働く人のモチベーションは大きく変わる。正社員という立場なら、企業への帰属意識も強まり、組織へ貢献する意欲も高まる。一つひとつの仕事に創意工夫を加え、昨日よりも明日は成長しようと、自らを啓発するんじゃない。

 今の社会が落ち着かないのは、雇用が不安定だから。衣食足りて礼節を知るのが普通の人、刹那的な環境に置かれたら心も荒む。従来の正社員が転勤を課せられるのに対し、ユニクロが導入するのは地域限定正社員制度、その代わりに少しだけ給与水準は低くなる。働く人も納得できるシステム。

 すべての社員を同じ基準で測らず、それぞれへの要望に応じて柔軟に考える。この辺りも先見的、大事なのは一枚岩の組織にすること、全体のクオリティを高めること。企業が社会に貢献するのは、文化事業や寄付行為でなく、人々に穏やかな暮らしをもたらすことじゃないか。

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2007年3月 5日 (月)

再開します

 営業マンフォーラムを、4月21日の土曜日から再開します。会場は未定だが、できるだけ早く決めて、改めて案内するつもり。毎月第3土曜の午後、私も1時間は話す。辻説法のつもりで、伝えるべきことを伝えきる。会費は従来通り3千円、個人の参加なので値上げはできない。

 一昨年の暮れにスタートしたときは、人に推された形だったので、どこかオブザーバーのような気持ちがあった。1年間続けて昨年の暮れに講演会。自分にとってどのような意味があるかを問い直す。その結果、銭金じゃなく営業の本質を伝えたい気持ちを確かめる。集まる人たちも良いヤツばかり。

 それと同時に考えてるのは、参加する人たちにどうサポートできるか。私にとって学びの場になるだけでなく、一人ひとりの行動に切っ掛けを与え、具体的に役立ちたいと切に願ってる。良いお話を聞けたで終わらせることなく、さまざまな展開を可能にしたい。どこまでやり切れるか。

 1年間のテーマは設定したが、状況の変化や参加者の要望で、柔軟に切り換えていくつもり。大事なのは知識の習得ではなく、実践へのアプローチ。そのために原理原則を踏み外さず、確信を勢いへ転じなきゃ、人の心を揺さぶれないよね。営業力はビジネスにとって共通する必須のテーマだし。

 今までと同じように、営業マンばかりでなく、経営者、コンサルタント、SEにフリーライター、いろいろな人の知恵を借り、積極的コミュニケーションのスキルを磨き、ノウハウを蓄え、成功をサポートする決意。今日もがある人は私まで、メールでお問い合わせくださいな。

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2007年3月 4日 (日)

あると思った

 関東財務局は日本旅行に対し、自社発行の旅行券の残高を過小報告し、保証金の供託額が不足していたとして、今月7日から来月5日まで旅行券の新規発行を禁じる一部業務停止命令。責任の明確化やコンプライアンスを求める業務改善命令も発動。プリペードカードを発行できないのはかなりの痛手。

 過小報告は91年の初回報告から続き、当初は事務のミスだったらしいが、03年に担当者が気づいてからも、修正されずに虚偽報告が続く。旅行業界はプライスダウンの過当競争で、大手といえども利益は圧迫されてるから、すぐに修正に応じられなかった事情もわかるような気がする。

 全国で440店を展開してるというから、それぞれの担当者にとっては寝耳に水。1ヶ月間も旅行券を扱えないとなれば、売上にも影響を及ぼすし、信用を失うのも目に見えてる。窓口の担当者はひたすら頭を下げながら、売上の不足をカバーするために夜討ち朝駆け。組織は一枚岩になれるのか。

 競合他社に顧客を奪われ、世間からの冷たい視線、こんなときこそ正念場だけど、組織内で意志の疎通が図られていなきゃ、壊滅的打撃へ至る危険も孕んでる。目の前の利益に目を奪われ、基本を忘れていた点では、不祥事を引き金に業績不振に陥ったケースと同じ。経営幹部は説明責任を果たせるか。

 利益を追求するのも経営の使命なら、人を育てるのも経営の使命。社内の論理だけでなく、世間一般の常識を教え、一人ひとりが社会的責任を自覚し、自律的に行動できれば、未然に防げたように思われる。経営幹部にとって当たり前のことが、組織末端まで浸透していたか否か、根本を問われてる。

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2007年3月 3日 (土)

独り善がりでしょ

 歌手の森進一氏が代表曲「おふくろさん」の歌詞に、新たな歌詞とメロディを加え、作詞者の川内康範氏が立腹。森氏は何度も謝罪に赴き、誠意を伝えたいとしてるが、私の目には独り善がりのパフォーマンスにしか映らない。川内氏の言い分に筋が通ってる。森氏は基本を忘れてる。

 コンサートの会場で、即興的に台詞を加えたくらいなら、それも演出と笑って済ませられるが、CDに収録したとなれば、明らかに著作権の侵害。どれだけ短い作品でも、原作者の了解なしに内容を変更するなど、傍若無人な振る舞い。印税を払うとか払わないとかの問題じゃない。

 森氏がやるべきことは、速やかなCDの回収。世間への謝罪と原作者への名誉回復。それが終わった後でなければ、訪問の前提は整えられない。頭を下げれば、改竄した歌詞を既成事実として、罷り通らせると思ってるなら、とんだ勘違い。世間の常識は、駄々をこねれば通るほど甘くない。

 川内氏は大人だから、歌わせないとしか要求してないが、権利侵害として法廷に持ち込んだら、明らかに森氏の歩は悪い。泥仕合と囃し立てるメディアも、自分が川内氏の立場になれば、もっと強烈に牙を剥くだろう。川内氏が他の歌手に歌わせたなら、森氏はそれを拒む手段も道義も持っていない。

 無理が通れば道理が引っ込む。その片棒をメディアが担ぐようじゃ、洒落にならないよ。川内氏を頑固に描くほど、森氏の行動を誠実と表すほど、茶番の本質が際立ってくる。作品を創る人は誰だって、命を削って形にしてる。それを小手先で弄ばれたら、憤懣やるかたないのは当たり前。

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2007年3月 2日 (金)

永大産業の再上場

 1800億円の負債を抱えて、78年に会社更生法を申請した永大産業が、29年振りに東証二部に上場した。元々は46年に大坂で合板の製造及び販売を業として創立。ツーバイフォーの住宅を販売し始めたのは71年、住宅都市整備公団より内装プレハブ業者に指定されたのが74年。

 要するに全国区となってから、10年も経たずに倒産してる。売上は急激に伸びても、利益を伴わないだけでなく、人材を育てられなかったに違いない。急成長の見かけとは裏腹に、内実は火の車だったから、当時としては戦後最大の倒産と呼ばれるほど負債が膨らんだ。

 それが再生できたのは、住宅事業から撤退し、インテリアおよび建材の事業に転換したから。言ってしまえば創業期に戻り、一番の強みを極めた。この辺りに他産業にとってもヒントが示唆されてる。外へ向かって拡大するのでなく、内へ向かって掘り下げたから、マイナスを払拭できた。

 自分の会社の財産は何か、ヒト・モノ・カネと言われるけど、場を得なければ活かされない。お金を積めば会社だって買えるけど、事業を発展させるのは紛れもなく人。そうは言っても人材はオールマイティじゃない。それぞれの場で知識と経験を積んで、その道を極めてやっとプロになる。

 今の業績がどんなに良くとも、本気で人材を育てない会社は、これからの時代に間違いなく淘汰される。頭でっかちの秀才ばかり揃えても、足腰が付いてこなければ、有名企業が多額の負債を抱えて倒産するか、それとも不祥事がァ摺見に出て社会から淘汰される。

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2007年3月 1日 (木)

悪魔の声だとか

 04年11月に大阪府茨木市で、乗用車を運転し5人を殺傷した被告に、大阪地裁の西田真基裁判長は無罪の判決。被告は悪魔の声と称する幻聴に命令されて反抗に及んでおり、統合失調症による心神喪失状態だったのが理由。被害者および遺族の耳には、裁判長の言葉が悪魔の声に聞こえただろう。

 被告は通行人を道連れに自殺を企て、運転席に乗り込んだ。その段階で殺意は明らか。そもそも人が人を殺すのに、正常な神経なわけがない。多かれ少なかれ狂気に取り憑かれ、人として絶対にやってはならない犯行に及ぶ。心神喪失状態が殺人の免罪符になる発想が怪しい。

 この論理を通すなら、オーム真理教の犯罪も、悪魔の囁きに耳を貸しただけ。地下鉄内でサリンを流すなど、正常な神経の人間にはできない。どのような状態であろうと、人が人を殺した事実に対し、厳粛に裁かれるのは社会の常識。たとえ被告が更生しても、奪われた命は二度と戻らない。

 5人も殺傷してるのに、検察の求刑は無期懲役。これも面妖な話である。まして無罪となれば、明日から大手を振って往来を歩ける。再び心神喪失状態に陥り、罪もない人の命が奪われたら、誰がどう責任を取れるのか。裁判長が自分の命を差し出しても、それで補えるわけもない。

 悪魔に命じられたなど、戯けた言い分が通るなら、この世の中に正義は存在しない。犯罪の被害者は運が悪かったとあきらめ、狂気に取り憑かれた人が、白昼堂々と獲物を狙う。それを司法が許すなら、身を守るために殺すしかないのか。あまりに巫山戯た判決に腹が立ってる。

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