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2007年2月 3日 (土)

お客さま社会

 文化審議会は伊吹文部科学大臣に「敬語の指針」を答申、従来の3分類を5分類に改め、実生活に即応する内容へ。私たちが子どもの頃は、人格のない物品に接頭語をつけるのは間違いと教えられたが、サービス業を中心に普通に遣われることから「美化語」なるものも生まれ、いささか違和感を覚える。

 言葉は時代と共に変化するので、新しい用法を組み入れるのは、それはそれと思う反面、敬語が生活の中に馴染んでないのに、どのような基準を持ち出しても、根づかないような気もする。本来の敬語は日本人の繊細な感性、お互いの立場を測りながら、人間関係を円滑にする。

 ところが現状では、敬語はお客さまへ向けられる言葉。尊敬とか謙譲という概念でなく、気持ち良くお金を支払って頂くために、社会でルール化されてるだけ。それが証拠に、学校の生徒は先生に、若者は年長者や老人に、敬語を遣うような習慣がない。先生と生徒の関係など逆転してる。

 言ってしまえば学校の先生は、知識や技術を生徒へ提供するサービス業。お金を払うのが国にしても保護者にしても、生徒は歴としたお客さまという認識。サービスの内容が悪ければ、代価に相応しくないとクレーム。年端のいかない子どもたちが、わかりもせずに権利を主張する。

 自分より長く生きてる人、自分に教えてくれる人に対し、自分の立場を謙虚に受けとめて、感謝するのが昔からの日本人。その感覚を取り戻さずに、敬語を今の時代に馴染ませようとしても、形骸化するだけでなく、本来の美しさまで損なわれる。心から湧き出た言葉にしなければ。

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