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2007年2月18日 (日)

不快感が先

 外資系ファンドのスティール・パートナーズ・ジャパンなる会社が、ビール業界3位のサッポロHDに対して買収提案。この会社は明星食品にTOBを仕掛け、日清食品を引きずり出し、数十億円の利益を稼いでる。村上ファンドの阪神への買収提案のほうが、わかりやすかったような気さえする。

 株式を上場し公開してれば、こうした事態はいくらでも想定できるが、買収して何をやりたいのか、資産を食い潰すのか。それとも買収など口実で、株価を引き上げ売り逃げたいのか。どちらにしてもマネーゲーム。現場で働く人たちも、ビールを愛する人たちも、蚊帳の外で企業が弄ばれる。

 業界1位、2位のアサヒかキリンが白馬の騎士になり、どちらかと経営統合したなら、少なくとも消費者にプラスなのか。量の拡大がそのまま質の向上へ繋がるのか。経営内容については、さまざまな意見はあるだろうが、今まで築いてきた歴史や精神は、消えてしまって惜しくないのか。

 人が生み出すものには、それぞれの思いが宿ってる。たとえトップでなくとも、培ってきたノウハウやスキルがあり、他には侵されない独自の理念がある。それを札束で横面を張るような振る舞いは、日本人の感覚としては到底許せるものじゃない。それでも尻馬に乗って、ビール会社の株価は上がる。

 資本主義と民主主義が握手できるのは、多様な価値を認め合って、少数派も生き延びられるから。その根本を否定して、消費者の選択肢を狭めるのは、私たちにとっても明るい未来と思えない。こうした非道が罷り通る現実を、経済の発展と捉える限り、大多数の人は幸せになれない。

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