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2007年2月 1日 (木)

微妙な問題

 法務大臣の諮問機関である法制審議会刑事法部会では、犯罪被害者や遺族が被害者参加人として刑事裁判に加わり、法廷で被告に直接質問できるなどの「被害者参加制度」の要綱案をまとめた。今国会での成立を目指すが、施行は9年の裁判員制度導入期前後の見込み。

 元々は被害者団体の署名運動から始まり、5年度に閣議決定した「犯罪被害者等基本計画」に明記され、世論の後押しも受けて早い段階での要綱案となった。確かに殺人や誘拐、性的犯罪など、被害者感情と量刑の不一致は、さまざまな事件で数多く指摘されてる。罪が軽すぎないかという声も囁かれる。

 しかし新しい裁判員制度の導入も絡めて、裁判そのものが心情に流されないか。殺人被害者の遺族なら、どのような事情があろうとも、加害者に死刑を求刑したいのは人情。強姦の被害者であれば、加害者を一生牢獄に閉じこめてほしい。その心情に添うことが、果たして社会正義に適うのか。

 正直に言って今の裁判制度には、さまざまな問題があると思う。量刑にしても死刑でなければ無期懲役だが、実際は最長で15年、再犯の確率が高いケースでも野放しにせざるを得ない。一方で犯罪者の増加に、刑務所が対応できない実情もある。この辺りの整合性を考えることが必要。

 それと同時に学校だけでなく、社会人も含めた教育を捉え直し、人として生きるモラルを確立しなければ、イタチごっこを繰り返すのも事実。一時的な処方箋としては厳罰化もやむを得ないが、抜本的な解決策にはならない。加害者の立場を必要以上に守る似非人道主義は問題外。

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受信: 2007年2月 4日 (日) 21時26分

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