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2006年8月 5日 (土)

子孫に美田を遺さず

 大阪の茨木市で、42歳の男が24歳の女を5ヶ月間も監禁。手足を革製のベルトで拘束され、「ご主人さま」と呼ばされ、まるで安手のSM小説。舞台となったのは父親が所有するマンション、地元では資産家としてしられていたという。こうした手口も、今回が初めてではないらしい。

 メール一本で簡単に、男の家を訪れるのも、警戒心がまったくない当世風。同僚に軟禁されたとメールを送信したが、事件にもならなかったのは、淡い人間関係が原因なのか、それともこの手が多くて、警察がマトモに動かなかったのか。資産家である父親の影響力はなかったのか。

 42歳にもなって遊び暮らしてるから、ろくでもないことを考える。普通の人は妄想しても、現実に引き戻されるから、それはそれとして終わりにできる。でも、生きるのに不自由しなければ、妄想する時間はたっぷりあり、現実と混同するのを遮るものは何もない。

 現象だけ眺めれば異常だが、子離れできない親たちに共通する問題が、ここには根深く横たわる。良かれと思って子どもに注いだ物質的な豊かさが、子どもをスポイルして正常な感覚を麻痺させてる。その結果、働かなきゃ食えないことを、いい歳になっても覚えられない人たちが溢れ出す。

 西郷隆盛は「子孫に美田を遺さず」と語り、大義を信じて城山に散ったが、それを賞賛する日本人の多くが、子どものために美田を遺そうと、それが愛情と勘違いしてる。どこまでやってあげれば良いのか、その一線を自ら引かなきゃ、子どもたちはいくつになっても幼児のまま。

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