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2006年6月23日 (金)

田原本殺人事件

 奈良県の田原本は、随分と昔に仕事で訪れた。鄙びた古い町並みで、時間が止まったような感覚。この土地で医師ならば、周囲から羨望の的。どのような事情で離婚したかわからないが、新しい母親も医師であり、事件を起こした子どもにとって、さぞや息苦しい環境だったろう。

 全国有数の進学校へ通っていたのだから、確かに勉強はできたに違いないが、それと頭の良し悪しは別問題。7歳で両親が離婚したときに、この子の心はどこまで納得してたのか。どんなに幼くとも生きねばならないから、根本的な疑問を抱えていても、それを悟られたら居場所がなくなる。

 親は親の事情もあれば、理屈もあるだろう。結婚して子どもがいるからといって、それが失敗とお互いに認めたら、離婚もひとつの選択肢だから、間違ってるとは思わない。しかし子どもは子どもとしての人格がある。産んでしまった以上は、親としての責任は免れない。

 人間の子どもは、家畜でもペットでもないから、餌を与えれば責任を果たしたと言えない。学費を負担すれば、思い通りに操って良いというものではない。まして離婚したのは親の事情、とばっちりを受ける子どもに対しては、普通の家庭以上の配慮が必要だし、愛情を注ぎ込まねばならない。

 当の本人だけでなく周囲の皆が、少年の心が叫んでいるのに気づかなかった。社会的に尊敬される職業、裕福な家庭、そうした条件を満たせば、少年を幸せにできると勘違いしてた。少年も望まれるように演じることで、居場所を失わないと思い込んでいた。他人事でない痛ましさを感じる。

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